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序章【花のプレゼント】


『『お誕生日おめでとう!』』


今日は私の14歳の誕生日。


今、数人の友達とお誕生日会をしているんだ。


『おめでとう、唯!』


『唯』っていうのは私の名前。


私の名前は『莎崎　唯(こうざき　ゆい)』。


唯『ありがとう!』


『これ、私からのプレゼント!』


そう言って1人の友人が、大きな鈴蘭の花束を私にくれた。


その友人は私の唯一の親友『明田　萌恵(あきだ　もえ)』。


幼稚園時代からの付き合いで『心友』といってもいいかもしれない


萌恵『唯って鈴蘭が好きって言ってたよね?』


唯『覚えててくれたの?』


萌恵『当たり前じゃん!　この花ね、庭で育ててたヤツなんだ』


唯『この日のために?』


私が萌恵に問いただすと、萌恵は笑顔でうなずいた。


とたんに目頭が熱くなった。


頬を温かいものが流れ落ちるのが分かった。


萌恵『え!?　唯……泣いてる?』


唯『えへへ……嬉しくって!　ありがとう!』


萌恵『どういたしまして』


萌恵は照れくさそうに頭をかいた。


改めて私は、友達の温かさに気付いた。


こんな幸せな毎日がずっと続くと思っていた……。


　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　あの日までは——