社会問題小説・評論板

Re: アタシ-ネット=0【ネット中毒者】 ( No.109 )
日時: 2009/05/31 21:01
名前: ☆゜。√想空 ◆1i48NEoKCE (ID: zy0H1PXw)
プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.php?mode=view&no=11393

*24*嘘吐き姫と純粋姫

アタシは全部ジュリアに喋った。
整形の事、上京のこと、ヤクザのことも殺しの事も芸能界のことも全部。
言ってスッキリした。頭のモヤモヤが取れた。
でも、一つ気にかかった。

「何で何も戸惑わないの…??」

ジュリアは黙々と話を聞くだけで、驚いたり顔色を悪くしたり、そういうことは一切しなかった。

「人には個人個人、事情があるじゃない。それは、あなたの事情。幸せになるための事情だから、悪くなんてないわ」
「ジュリア…アンタやっぱりアタシの親友だよ」

一番の理解者だよ。
ありがとう、アンタは憎いけれど、必要な存在だよ。

「私はちょっと眠るわね。爺やに紅茶を出させたから、飲んで、勝手に帰って頂戴。また来てくださいね」

歓迎されてんのか追い返されてんのかわかんねぇよ。
でも罪悪感は今までにあったなかで一番小さかった。
アタシはジジイが持ってきた紅茶を口にした。
甘いミルクティーだった。
あたりを見回す。
本当に、色とりどりの薔薇ばかりだ。
こんなところに眠っているだけだなんて、アンタはおとぎの国の姫だ。
眠り姫。
そしていつかここを見つけ出した王子に、愛され最期を告げるのね。
素敵じゃない。
どうせならここに生まれたかった。
そんな事を考えていたら、携帯が鳴った。
PPPPPpp

「もしもし」
『あ、エリサちゃん!!俺だけど、雄輔!!』
「あ、神谷さん!!」

神谷雄輔だった。
確かあんとき、酔って番号交換したっけ。

『今夜空いてる??ご飯でも行かない??』

おいおい、彼女が居るのにいいのかよ。
…でもいっか。
それに他に連れが居るのかもしれない。

「空いてます!ぜひ行きましょう!」
『そっか!!良かったぁ!!今どこ?何してる?』
「親友の家でお茶してたの。でももう家に戻るわ」
『そっか!!じゃぁ今夜○○駅まで来てくれない?今日仕事あって。迎え行きたいけれど』
「いいんです!!私から行きますから。それじゃぁ後ほど」

迎えに来られたら、龍と鉢合わせになる可能性があっから避けた方がいい。
多分、殺される。

「じゃぁ、私行きますね。ジュリアに宜しくお伝えください。それでは」

私は上品にジジイに挨拶して、薔薇園を出た。