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*26*イラつき

「あ"あ"あ"あ"ッッッッッッッッッッッ」
「るせぇんだよハゲジジィ!!!!」

お嬢が人殺しになる瞬間。
それはたった数秒の幻。
アタシはアタシを狂わせた男を虐殺していた。
LIZAの部長・室淵圭吾。
コイツがアタシの、普通の人生送るための努力、折り曲げた。
ヘンな方向へ進めたコイツは憎くてしかたない。
コイツがいなければ、ヤクザに入ることもなかった。
それなのに、それなのに。
前回と同様に、髪は剃り、爪は剥いだ。

「助け…て、雇って、やるから」
「はァ?言ってるコトおかしくない?何で助けたアタシが雇われるの」

アタシはそれ以上に頭がおかしくなって、その場にあったペンチで、室淵の歯を抜き始めた。
ちょっとやり難い。でも、だらだら流れる深紅の液体が、力を与えてくれた。

「辞めてくれ…頼むゥゥゥ!!」
「五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!お前の小馬鹿にした態度がムカつくんだよ!!失せろ!!」

アタシはナイフで室淵の頭を切りつけて、腹をグサリ、と刺した。
だらだらと血が出てくる。口からも吐血。
いざ、死体を見ると、やりきった感覚と、莫大な罪悪感が襲ってくる。

「ウェ…おぉぇ…」

キモチ悪くなり吐き出す。
酸っぱい胃液が、余計頭に響く。
アゲはの時は、燃やして逃げた。
だから、死に目は見ていない。
アタシは体全体を震わせて、龍を呼んだ。

「りゅぅ…りゅぅうぅぅぅ…」
「どうした、エリサ。…こりゃまた派手に」
「怖いよぉ、怖いよぉぉぉ…」

アタシの本心だった。
本当に怖い。だって、ザクロみたいなんだよ。
目玉が気持ち悪い。また吐きそうだよ。
でも、何故か快感もある。
そうだよそうだ、室淵はアタシを狂わせた元凶ぢゃない。
コイツは死んで当然なんだ!!強.姦魔よりもタチわりぃ!!
逮捕ができない詐.欺師じゃないか!!!!

「あっははははははははははは!!!ゲテゲテ、くけケ、ぎゃははははははははハハハハ!!!」

アタシは狂い笑った。