社会問題小説・評論板
- Re: アタシ-ネット=0【ネット中毒者】 ( No.197 )
- 日時: 2009/07/03 20:50
- 名前: ☆゜。√想空 ◆1i48NEoKCE (ID: tHinR.B0)
*37*変化
アタシは薬を3錠ぐらいついでに飲んで、お茶菓子と紅茶を持って部屋へはいる。
芽琉はニコニコしながらアタシを見て頭を少しさげた。
やっぱ品ってのを知ってるな。
「私もこのお菓子好きです、イタリア製ですよね。チョコレート大好きで」
「そうなの?お口に合ってよかった。私もお気に入りなの」
ふーん、イタリア製だったんだ。知らなかった。
「これ、ホワイト社のものよ。紅茶も。ホワイト社、お好きなんですか??」
「え、ああまぁね。美味しくて好き。」
「チョコレートが主ですよね、チョコレート、好きなんですか??」
「あ、うん。子供のころから大好き」
チョコは、味は好きだけど、大嫌いだった。
唯一両親がくれた誕生日プレゼントだったから。
それも、貧乏だけれど嬉しかった。子供のころ。
でも、チョコを食べるたびあの頃の記憶が蘇る。
本当にあの頃を思い出させるモンは何でも大嫌いだった。
「紅茶もホワイト社…ホワイト社ってミルクやお砂糖が多いですよね。大手ですから有名だし…」
ホワイト社は大手の菓子会社。
紅茶とか、お茶菓子とか、そういうモンを作ってる会社だ。
社長の名は「ブルッシェル・ホワイト」。
何歳かは知らんけど、若い女社長。
テレビで見たことがある、白とピンクのドレス着た、ディズニーの眠り姫みたいな綺麗で謙虚な女性。
アタシが欲しいモン、全部持ってるけれどそれを持っていない人間を見下さない。
他に欲しいものがある、みたいな目をした女だ。
憎めない女。
「じゃぁ、芽琉帰ります。お邪魔しましたぁ」
ひょこっってお辞儀して、芽琉は家を出て行った。
ヤベェ、薬薬。
…ねェし。
「龍ゥー!薬ちょーだいッッ」
アタシは隣の龍の仕事部屋に入ると、龍はそこらじゅうを見回していた。
何かを探しているようだ。
「無い、無い、無い!!」
「何探しているの??」
「次のプレゼンの資料だよ〜机の上に置いといたのに〜」
…そんな大切なら、ちゃんとしとけよ。
「それより、薬」
「あ、あぁ。はい。」
アタシの手に薬の袋を持たせた。
「あ、そうだエリサ。俺最近忙しくて時間ねぇからさ、薬自分で貰い行って。これでくれるからさ、これ地図」
アタシは、病院への地図とカードだった。
ったく、使えねぇな。
まぁ贅沢は言ってらんねぇ。
アタシは薬を持って自分の部屋に向かい、携帯をいじりながら荒らしを始めた。