社会問題小説・評論板
- Re: アタシ-ネット=0【ネット中毒者】読者30人合計参照1万突破 ( No.222 )
- 日時: 2009/07/10 19:28
- 名前: ☆゜。√想空 ◆1i48NEoKCE (ID: OQN7GsL9)
ターゲット
*41*別の標的
アタシはJuliaの待つ高級マンションの前に立つ。
どんだけ高いんだ。20階…
地震で崩れたら頂上の人間即死だぞ。
頂上で高見の見物してるセレブを想像すると、虫唾が走り、鳥肌が立つ。
もう震度MAXでここ崩れ落ちねぇかな。
どんなブランドモンでもクズになんだろうな。
笑えてくる。たった数分起こった振動で、さ。
家が崩れて自分も崩れて?ああ笑える。おっかし。
アタシはチャイムを押して、Juliaへの呼び出し。
『あ、エリサちゃん!私の部屋は19階の905号室だよ、早くおいで』
「ウン。じゃぁ行くね」
ガラスの自動ドアが開く。
キラキラした照明が高級感を漂わせてる。
高級グランドホテルのよう。
ピッカピカの床や高い天井。
ガラス越しに見えるすました顔した事務員。
豹柄で埋め尽くされたワンピース着て、一ミリも電線してないストッキング履いてサングラスかけて煙草吸ってるおばちゃん。
全てがいつしか想像したセレブ像。それ以上。
アタシはいつも、こんな場面を見ると昔の田舎を思い出し、比例してしまう。
ますますアタシの不運が身に染みる。
大丈夫。アタシは、アタシはお嬢様。元々こんな場面山ほど見たじゃない!
アタシは19階行きのボタンを押して、すぐに来たエレベーターに乗り込んだ。
誰も居なかったから、アタシはそこに座り込む。
エレベーターの壁に設置された鏡で、アタシを見た。
サングラス越しに見える、パッチリした目が、アタシに自信をつけてくれる。
この目、浜崎あゆみ見たい。倖田來未見たい。くうちゃんもあゆは元々ファンなんだ。大好き。
もしかしたら、それ以上かもしれない。
アタシは自分の顔を見て、うっとりする。
途中10階で止まったけれど、自分の時間邪魔されたくないから、閉めるボタン連打してスルーさせた。
とうとう19階につき、アタシは立ち上がり、ダンボールを持ち上げる。
エレベーターから降りると、ほとんど人が通っていなくて、キラキラしたロビーと同じような廊下。
羨ましい。
そう思いながら、ダンボールの中をのぞく。
結構な量が入っている。
トランクも入っているんだから、これに入れて持ってけばよかったのかも。
ま、いっか。
アタシは905号室を探す。
…あった。
“。+*◇すず(キ±ぇσぉへゃ◇*+。”
ギャル文字で読めねぇよ。ヘタクソ。
ブリッコまるわかり。
アタシはポケットに入ってたマーカーで落書きをした。
【Juliaたんのお部屋可愛かったから見てみそ。下着もかわゆす】
変なストーカーだと思うんだろうよ。
字の形も男っぽい荒っぽい殴り書き。
アタシだとは思うまい。
アタシは隣の904号室のポストにマーカーを入れて、Juliaの家のチャイムを押した。
すぐにJuliaは飛び出して来るなり、アタシを抱きしめた。
「あ、エリサちゃん!!来てくれたんだぁ!大変だったよねぇ!これからは私が面倒みるから!!」
「そんな…泊めてくれるだけでもありがたいのに」
「ううん、いいの。荒らしとかで慰めてくれたのエリサちゃんだけなの。彼氏さんやエリサちゃんの実家程贅沢はさせてあげられないけれど、洋服とかコスメとか、いっぱい貸してあげる!それだけじゃなくって、いろいろ。たっくさん面倒みる!」
優しいなぁ。Julia。
Juliaの腕、あったかい。
でもさ、裏切っちゃったらごめんね。
大丈夫だと思うけどさ。
そして、ドアに掛けてあった名札に名前が新しく付け足された。
“。+*◇〈〃ωぢょぅヱリサとすず(キ±ぇのぉへゃ◇*+。”
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