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*42*襲撃

「…ココか」

アタシはとある場所に来ていた。
ひっそりと建てられた、本城芽琉のおうち。
本城グループが一度経営破綻したのは本当だった。
でも、大手グループに吸収されて、復活したんだとよ。
本城芽琉は、そのグループでも下っ端中の下っ端。
バカらしい。ナンセンス。
家だってさ、ボロい。
よくいい気になれるよ。バァーカ。
アタシは塀の影に隠れて、でっかい石を窓にむかってブン投げた。
ガッシャーンッッ
キレーに割れた。あっは、クリーンヒット。

「ちょっ誰よぉ!!」

芽琉はあわてて飛び出してきた。ばぁか。
ビビッてやんの。だっさ。
アタシはそこらへんに捨てられてたボロい駄菓子屋に売ってそうなお面をつけて、ダッシュ。
一発蹴りいれた。

「いったぁ!!」

芽琉は反抗してきて、アタシのお面をひっかくように奪った。
チ、バレた。

「負け犬が何の真似よ!?」
「負け犬？その言葉そっくりそのまま返すわよ、大手グループに泣きついた下っ端がさ」
「ううううるさい!!両親の会社も彼氏の会社も潰した厄病神が!!」
「はァ？ふざけんな。アンタだってそうじゃない」
「ッッッ」

ぎゃはははは!!図星だろ、図星なんだろう!!
芽琉は本城潰しただけじゃない。
元彼数人の会社一気に潰した最低な人間だ。
アタシのこと言えないんだよ。

「とりあえずさ、消えてよ」

アタシは腹に蹴りいれて、髪をひっぱった。
畜生、もう組なくなっちまったからレ.イプしてやれたのに。
残念だなぁ。
ま、いっか。
アタシは溝に芽琉の顔をはめた。
ゲホゲホ、気持ち悪いって、嘆いてる。
かっわいそ。
頭をヒールでグリグリ押しつけた。
笑える。あっはははは。
アタシは足を離してあげた。

「ねーぇ芽琉？アンタはどうしたいの…？」
「うぇ、どうするって何、い…」
「生きたいか、死にたいか。」
「ひッ生きだい…ぃぃ」

さっきの威勢はどうなったんだよ。
すっかり怖気ついちゃった。
こんなサラッてくるなんてさ、笑えてくる。

「じゃーさ、さっさと事務所と会社に辞表だしなさい。あ、このことは他言無用ね。言ったりしたら…殺す」
「ヒィッわかりましたぁああ、わかったからぁ!!」

涙に鼻水に唾液。
顔、キモいよ。
アタシは芽琉の顔を道路のコンクリートの角に勢いよくぶつけた。
血、出ちゃったね。どんまい。
アタシは芽琉の携帯をパクってその場を去った。