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*46*二人で

アタシは事務所に行って、今日の仕事の話を聞いていた。
ま、ほとんど聞いてなかったけど。

「明日、江ノ島でSweetgirlsとDinnerboysのライブイベントがあって、そこでエリサちゃん応援で行く事になってるから」
「へ!?あ、はぁーい」

Sweetgirlsは赤里まい、月下亜樹菜、そしてJuliaで結成された女子ユニット。
Dinnerboysは、名野剛士、保田直樹、それと神谷雄輔で結成された男子ユニット。
その応援で、アタシが行く、って。

「江ノ島ライブイベントは二日連続だから、一泊二日ね。簡単な寝具トランクに入れて事務所来てくれればいいから。●時までに。」
「はぁーい」

だる。
この糞暑い中、江ノ島って。
日焼け止め念いりに塗らないとホントやられる。

「じゃ、撮影行くよ」

アタシはバックを持って車に乗り込んだ。
そういえば、ゆうすけと今日一緒だ。
嬉しいな。
アタシは車の中で寝転がりながらJuliaとかのブログの荒らしをした。
最近アタシ以外の荒らしも沸いてきて、やりやすい。
いい加減閉鎖しねぇの?まぁそれも困るけど。
ガチガチいじってるうちに、もうスタジオについた。

「じゃ、いつものメイクさんが居るとこ行って。」
「はぁーい」

アタシはのんびりメイクさんのトコへ歩いてく。
メイク室に入ると、ゆうすけが居た。

「あ、エリサ!!」

ゆうすけは子供みたいにブンブン手を振ってくる。
あたしは振り返した、ら、振る速さが速くなる。
かわいいなぁ、メイクさん困ってるよ。

「じゃ、エリサちゃんここ座ってー」

アタシは鏡前に座って、目を瞑った。
アタシって、ホント幸せだなぁー。
ちょっとハプニングあっても、綺麗で、元お嬢様で、モデルで、かわいくて、恋してて。
幸せンなる想像すると、本当胸が躍った。

「はい、メイク終わりましたよー」

目を開く。
鏡に移るのはかわいいアタシ。
目を瞑っていたからか、少し暗く思えた。

「エーリサッ一緒に行こ」
「あ、うん」

ゆうすけはアタシの腕をひっぱって、廊下へ。
なんかもういちいちドキドキさせないでよ。

「ねぇ、エリサ明日の江ノ島応援で来るでしょ?」
「あ、うん。ゆうすけが歌うの初めて見るなぁ」
「明日の夜さ、こっそり抜け出してデートしない？二人で」

…デート?
デート、ってあのでーと!?

「い、行くッ」
「よっしゃ!じゃぁ明日楽しみだなぁー。俺江ノ島詳しいからッ」
「そうなの??楽しみ」

どくん、どくん。
心臓の動きが速くなる。
これ、どうやらマジっぽい。