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*01*持つ者と、持たざる者


岡沢浩子・16歳。
私には何もない。
田舎者、ブス、性格も悪い…
それでも、頭はいい方だった。
中学のテストでは常にベスト10入りだった。
時には1位も…
それで私は教師の進めで私立のとても頭がいい高校を受験した。
だが…1点差で、落ちた。
すべりどめは受けていなかったから…絶望だった。
友達は居なかった。ブス女に話しかける人なんか、居なかった。
両親は、まったくもってセンスのない。
父親は大工の仕事をしている。半人前で、年収は…300万ほど。
母親は家事が大の嫌いで、部屋はゴミ屋敷状態。
キレやすくて、よく私は虐待に等しい行動を受けていた。
つまり、愛情を1μも受けず育った、悲しい女子だった。

だけれど私には夢があった。
メイクアップアーティストの夢。
私は、自分がブスだったから、その分ほかの人を綺麗にしたかった。
私は頑張ってメイクの勉強をした。
自分で練習をした。
メイクをしたほうが10倍、いや100倍可愛かった。
まぁ、それでも中の下だったけれど。
私は高校に落ちて、私はメイクアップアーティストの資格をとった。
それでいざメイクサロンの面接を受けても、有名な店はすべて落ちた。
ブスはいらないのだろうか。…悲しい現実だ。
やっと受かったのがチェーンを経営している店。
だがそんなに名を広めてはいなかった。
それでも私は嬉しかった。田舎から脱出できる、東京で少しでも華やかな生活に近付けると思った。

でも、現実は厳しくて、私は店で雑用ばかり。
メイクの仕事なんて一度もしたことがない。
私がブサイクだから??
可愛げがないから??
世間って、それだけで人生決まっちゃうわけ??
冗談じゃない。
私は自分の力で這い上がってみせる。
今の底辺の糞目線から、頂点からの美目線にかえてやる。
今に見ていろ。私を見下している奴らめ。
逆の立場にしてやるからな。
私は必死になって仕事をして、貯金をした。
バイトも掛け持ちして朝食昼食を抜いて、貯金をした。
丸2年たった18歳。貯金口座には、1300万もの大金が貯まった。