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*20*初仕事

初仕事は雑誌モデルだった。
雑誌の名前はLOVEYOU。
今人気のファッション雑誌。

「エリサちゃん、いいよいいよー!!こっちむいて!!」

カシャッ
定期的に刻まれるシャッター音が、気持ち良くてしょうがない。
ああ、アタシってもっと早くこれやっときゃよかったんじゃねぇの??
いままでやってやらなかったのがもったいねぇ。
ごめんなぁ、アタシの信者たち。

「じゃぁ10分休憩ねー」

アタシは白い紙見たいなやつから降りて、沢山コードがころがってるスタジオを抜けて、トイレに入った。
スカートとパンツを下げて、便器に座る。
手はモチロン携帯を持っている。

【今日は初仕事でしたぁ⇒ッファッション雑誌の撮影だぉ♪雑誌の名前ゎ…【LOVEYOU】♪♪だぁいすきなヵヮィィ雑誌だから、やるって決まってめちゃめちゃ嬉しかったよぉ♪10分経ったらまた仕事だぁ★楽しいな♪】

【わぁ♪LOVEYOUは私も買ってるよ♪発売日が楽しみ★まい】
【普段LOVEYOUは買わないけれど、エリサちゃんが載るんだったら買っちゃおうかしら♪ルイ】
【LOVEYOUだなんて、もうカリスマだね☆エリサたんが載るなら2冊買っちゃおう♪JUN】

【まい、ルイ姉、JUN、ありが㌧♪初めてだからちょ→緊張だよ;;;ひきつっちゃう；；】

荒らしはいまのところない。安心して放尿する。
まだあと30分かぁ。
体力、もつかな。
キャバの時も、すっごい疲れたし…
いままで以上につかれそうだなぁ…
ったく、なんでJulia芸能人なんだよ。
アタシはムカついて、鞄から取り出したグロスで壁に落書きをした。
【モデルのJuliaは整形アソコがガバガバ女】
もちろん、ホントかなんて知らん。
ただ、ムカついた。
こいつ、絶対潰す。
アタシは水を流して、個室を出た。
手を洗って、手についた水滴を近くに居たモデルの衣装で拭いた。
相当睨まれた。

「睨んでんじゃねぇよ、整形女」

ソイツは笑えるほどビクッてして、腹の底から笑えた。
こいつは確か…赤里まい。歌手だかだったなぁ。
あ、Juliaと同じ番組でレギュラーの奴だ。
確かユニット組んでたな。
ついでに潰してやるよ。
ぎゃははは。
あっかんべってして、アタシはスタジオに戻った。
思いっきしピースした。
ちょっぴり子供っぽいアピールです★って笑っといた。
整形前だったら引かれてただろう。
でも、可愛かったらなんでも許される。
醜い世界だ。
でもね、もう戻れない。
アタシは頂点に立つ人間だから。