社会問題小説・評論板

Re: *。・ホントウノコト・。*#12cp☆ ( No.62 )
日時: 2009/06/06 16:08
名前: 凛雪 ◆.QjHDtkYOg (ID: BfXEK8t.)
プロフ: *。・ホントウノコト・。*アンケ中!!ヨロシク☆

#13 *。・洗脳・。* 愛夢side

「きゃあああああああ!!」

コンクリで、頭から血を流し、倒れている3人を、はじめに見つけたのが、あたしと和歌だった。

「ま、まさか、本当に死んじゃうなんて…」

あたしは、恐怖に足がすくんで動けなかった。

和歌は…あふれる血を見て、気がおかしくなったらしい。

急に、笑い出した。すごい顔で。



「あは…あはははははは!!あはははははははは!!」



「わ…和歌!?どうしたの!?しっかりして!!」

発狂…というんだろうか、
病院の院長を伯父に持つあたしでさえ、
こんなひどいのは見たことなかった。

和歌は、笑いながら倒れて、思いっきり頭を打った。
コンクリだったから悪かった。
和歌はそのまま意識不明の重体に陥り、伯父の病院に運ばれた。


ほんとにひどかった。
目は白目をむき、身体は痙攣のように震えている。
「和歌、和歌、しっかりして!!」って、何度も呼んだ。
なんだか、目を覚ましたとき、和歌が和歌じゃなくなっている気がして、怖かったから。



それから一年ほど、和歌はずっと精神科で過ごした。
一時の痙攣状態は脱したものの、
ずっと、一秒たりとも目を覚まさなかった。
まだあの3人のことと、大量の出血の恐怖が消えないのかもしれない…


「洗脳するんだ。私は悪くない、という具合にね」


こうして、和歌は洗脳され、意識を取り戻した。

3人をいじめていたこと、

3人が死んでしまったこと。

血の海の発する狂気に飲まれ、発狂したことも、全部。

全部、忘れてしまった和歌。

和歌の命の無事が一番だったけど、やっぱり罪悪感があった。
当の本人は知らないことだから、

「ねえねえ、愛夢ちゃん…どうしたの?」

って言うのだけど。

いつかは話そう、と思っていたよ。でも、こんなにはやく話すときがくるなんてさ…