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＃2　＊。・入院・。＊

「今日から入院しましょう。こっちのお部屋で」

先生に案内され、痛い足を引きずって部屋に入った。

はあ…やだなあ…『ガン』なんて…

もう、私は死んじゃうんだろうか？

同じ部屋の人と気まずかったらどうしよう？

学校に行きたいよお…
まさか、自分だけはならないだろうと思ってたのに。

ベッドに座った。

ぱさぱさの布団。硬い枕。
ギシギシとうるさいマット。
もう、これだからパイプベッドは。

もう、やだあ…。タメ息が、身体全体にむなしく響き渡る。

足の痛みも、足からずんずん上ってくるし。

入院一分間。すでに嫌になってる。

そのときだ。




「こんにちは！あなたはなんていう名前？」


「え？」

思わず聞き返した。

「だからあ、あなたはなんていう名前？
あたしは『青木　佳奈美』神経芽細胞腫で入院しているんだ」

あ…あたしと同じ？

「あ、たしも…です。あたしは、幸。中谷　幸です」

「わあ、よろしくね、幸さん！幸ちゃんて呼んでいい？
あたしのことは佳奈美でいいから！幸ちゃんは何才なの？
あたし12歳だよ」

次々と出てくる言葉に、あたしは戸惑った。

「あ、あたしもだよ、12歳」

「わあ！同い年なんだね、よろしく！」


佳奈美が、手を握ってくれた。その手は、暖かかった。