社会問題小説・評論板

Re: *。・かみさまなんてだいきらい・。*#3cp ( No.21 )
日時: 2009/10/15 17:23
名前: 凛雪 ◆.QjHDtkYOg (ID: JZOkdH3f)
プロフ: またロックしてごめんなさい…今回は意地でも完結させます!(ノД`)

*。・第四話 転がるボールとその悪夢・。*



「あーきなちゃんッ♪あーそーぼッ♪」



『あーきなちゃんッ♪』だって。どこの園児だ。
幼稚園に戻れ。

ただ、今までの経験上、『やだ』って言ったら
梨乃が発狂するぐらい酷いことをされるのは確かなので、
素直に「わかった」とうなずいておく。

「今日は体育館であそぼっかー♪」

「いいけど、何して?」

「んー?それは着いてからのお楽しみー♪」

やたら上機嫌だった。なんか怪しいなー。
嫌な予感だなー。



窓の外を見る。

少々風が強く、窓ガラスをがたがたと鳴らしている。

緑色の葉っぱが、一つ、また一つと取れては、
風に乗ってどこかへ飛んでいく。



妙に嫌な予感。
嫌な予感だけ良く当たることってあるよね。


嫌な予感〜…

自分でも何度目だ、と思いつつ

「ついたよ〜♪」

と言われて顔をあげる。



「皆、ボール用意して!!」




ああ〜、あれか。ボール投げるあれね。

漫画でよくあるやつ。

こういうのは、反抗しないほうが早く終わる。

顔に傷がつくけど、いつかは消えるし。


あ、でも梨乃が発狂しないか心配だな〜。



変な音がして、口の中に鉄の味が沸き起こった。



「きゃー!由愛ナイス!!」


歓声が聞こえた。ああ、ボールか、今の。

不思議と痛くはなかった。ぼーっとしてたからかも。

傷になってないといいな。口の中までは
梨乃も見えないし。
騒がれるとあれ、結構頭に響く。自分のために心配してくれるのはわかるから、
嫌ではないけれど。




「じゃあ、もう一発いきま〜す♪」


「由愛頑張れー!!」



ああ、うるさいな。ボール投げるだけで何があんなに
楽しいんだか。
むしろ私は憂鬱で仕方ないんだけど。
あ、私に当ててるから楽しいのか。だとしたら、あの子達は相当狂ってるな。



あーあ、傷、できてないといいなぁ。