社会問題小説・評論板

Re: *。・かみさまなんてだいきらい・。*由愛キャラ絵cp ( No.70 )
日時: 2009/11/18 20:57
名前: 凛雪 ◆.QjHDtkYOg (ID: QaTT9JyW)

*。・第六話 紙コップ・。*

「じゃ〜ん」

朝からやけにご機嫌な由愛が、
手に持ったものを見せてきた。

「これな〜んだ?」

ぷらぷらと振って見せてくる。



「…ティーバッグ?」

「あったり〜♪」



確かにそれは、コーヒーのいいにおいがしていた。


「…で?」

なんでそんなものを持ってきてるのか、とか。
それをどうするんだ、とか。

「ちょっときてっ」

由愛が私の腕をつかんで無理矢理引っ張った。
逆らうと怖いので、夢に身をまかせる。




———ついたのは、家庭科室だった。


ひんやり冷たい空気に、嫌な予感がした。


「寒いでしょ?コーヒー淹れてあげるから♪」


って言ったけど、ただ淹れてくれるわけではないんだろうな、
と思った。
多分、ぶちまけるつもりだ。
頭からじゃなかったらいいな。


窓の外に見えるのは、近づいてくる雨雲。
青い空、黒い雲。





ばしゃん。




急すぎて、何が起こったのかもわからなかった。

熱すぎて、熱くない、みたいな。

由愛が、紙コップをもってにやにや笑っていた。




推理。

いつのまにかお湯が沸く。
    ↓
コーヒーが入る。
    ↓
頭からぶっかけられる。



この人、アクマだ。

ただ本能的に考えたのは、


【熱いって言ったらおしまいだ】


ってこと。

由愛を喜ばせるだけだし、今ここにはいないけれど、
梨乃のことを考えるとなおさらだった。

「熱いでしょ?あははははっ」



そうだね。熱いよ。

梨乃にもこんなことしたの?

あなた、人間じゃないよ。

ひどい。ゆるせない。りのがかわいそう。



  許 さ な い 。



外は雨。私の中で、何かが変わった。