社会問題小説・評論板

Re: 色のないもの  ( No.11 )
日時: 2010/08/27 11:43
名前: 月姫 ◆Hy48GP/C2A (ID: 0VNTw2Qw)

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「今日からこのクラスの仲間になる、神城純さんと廉君だ。二人は兄弟です。席は相川の隣な」

 私達が座る席の隣には、朝いろいろ世話になった少女が居た。同じクラスだったんだな。

 やはり彼女は長袖のシャツを着ていた。暑いのに何でまた・・・。

Re: 色のないもの  ( No.12 )
日時: 2010/08/27 12:26
名前: 月姫 ◆Hy48GP/C2A (ID: 0VNTw2Qw)




「げぇ、かわいそー」
「つか俺の横でいいじゃねーか」
「右の娘カワイイ〜」
「カワイソ過ぎるし、あの娘」

 何か冷ややかな視線を感じた。
それは、転校生の私達ではなくて、どーやら、相川何とかに向けられたものだった。

 相川は、ボーっと窓の方を見ていたようにも見えたが、何だかその窓をも見ていないように思えた。

「・・・よろしく」

 相川はその視線をこちらに向けることなく無愛想な挨拶をした。せめてこっちくらい見ろよー、感じ悪いぞ?

Re: 色のないもの  ( No.13 )
日時: 2010/08/27 12:43
名前: 月姫 ◆Hy48GP/C2A (ID: 0VNTw2Qw)



「挨拶ぐれーまともに出来ネーのかアイツ」
「あの娘戸惑ってんじゃん」
「俺が慰めてあげるよ」

 気持ち悪ぃー会話が聞こえてくる。男ってそんなものなのかな。

「無愛想なのは好かれないぞ相川。じゃあ一時間目は多分家庭科なので、被服教室まで・・・」
「先生、技術ですっ!」

 元気いっぱいに先生にツッコミを入れたのは、制服に絵の具が付いちゃってる某軽音楽部アニメの主人公みたいな風貌の女の子。

何のアニメは、大体の人が分かると思うんだけどね。

 ・・・言うなよ。分かっても言うなよ。

Re: 色のないもの  ( No.14 )
日時: 2010/08/30 11:49
名前: 月姫 ◆Hy48GP/C2A (ID: 0VNTw2Qw)



「・・・中川、そうだったな、技術だったな。じゃあ木工・・・」
「金工室です!」

 クラス中から笑いが起こった。先生はウケを狙っていたのか。
 
 そんな中でも相川は無表情だった。30センチほど開いてた窓から吹き抜ける風が心地良い。と、相川のシャツの袖がふわりと風に揺れた。

・・・傷跡?

 紅く開いた手首。腕には無数の切り傷。深いものから浅いものまであった。彼女は運動部なのか・・・?