社会問題小説・評論板

Re: 色のないもの@オリキャラ募集ちう ( No.19 )
日時: 2010/09/01 16:50
名前: 月姫 ◆Hy48GP/C2A (ID: 0VNTw2Qw)



 技術の時間は終わった。
で、次は国語だが国語の先生が余りにも痔が痛いので病院へ行ったため、自習となる。ボラギノール差し入れてこようか・・・。

「自習はプリントだって」

 のんは黒板を見ながら言う。前の黒板には誰かが勝手に相合傘を描いたりして笑っている。低俗な者よ・・・。

「相川さんDVDって本当なのかなァ」
「DV。・・・ね、ちょっと話してみてくる」

 のんはそう言って相川に話しかけた。

「相川ちーん」
 
 DVD? DV? そんな物よりそのあだ名のセンスを知りたいよ私は。

「何かあったの?」

 教室の隅っこで話していた。のんはどういう気持ちで彼女の話を聞いていたのか。

 私は目を見た。目に映ってる感情から、心理を読み取る。コレもスキルだったりする。
相川の目には「不安」「恐れ」が映っているように見えた。そしてのんの目には「心配」・・・。

「ね、ウチくる?」
「・・・でしょ、それに・・・・・・・・・だし」

 二人の声が途切れて聞こえた。教室から見える廊下では、男子が暴れていた。

 誰かが悩んでいるのに、よく呑気に遊んでられるな。

 ——お母さん、当分帰れそうにはないです。

 パラレルワールドにテレパシーを飛ばしてみた。が、当然届くはずもなく・・・。

 聞こえたのは、雀の鳴き声だけだった。


Re: 色のないもの@オリキャラ募集ちう ( No.20 )
日時: 2010/09/01 17:11
名前: 月姫 ◆Hy48GP/C2A (ID: 0VNTw2Qw)

+相川目線


 私の大好き「だった」母。

 どんなに失敗しても諦めない事の大切さを教えてくれた母。

 その大きな心で小さなあたしの体を受け止めてくれた母。

 美味しい卵焼きを作ってくれる母。

 いつも笑っていた明るい母。


 ——もう、会えない。

 交通事故というものは、簡単に起こり、簡単に奪う。

 母が居なくなって、私は私では無くなった。
親父の再婚相手は私が嫌いみたいだし。まあ、自分の子供じゃないし。 それからというもの、性格も人格も曲がりきった。リストカットもした。

 これ以上苦しい思いはしたくない。

そんな折、希はこう言ってくれた。

 ———— ウチ来る?

 その言葉には甘えたかった。12年の付き合いになる。今まで希には甘えた事もなかった。給食分けた事もあった。お金も貸した。ちゃんと帰ってきた。

「世話になってばかりだったし、今度はあたしの番だからね!」

 目の奥に熱いものを感じた。・・・涙。

「あり・・・がと・・・う」
「いいのいいの。じゃ帰りはウチに来てよ」

 素直に、甘えても・・・・・・

———いつかきっと、あの女はやってくるであろう。

Re: 色のないもの@オリキャラ募集ちう ( No.21 )
日時: 2010/09/01 17:24
名前: 月姫 ◆Hy48GP/C2A (ID: 0VNTw2Qw)

+純 side

 相川の目つきを、神妙な顔つきで見守っていた。廉が話しかけてきた。

「なぁ、家はどうなるわけよ」
「・・・・・・」

 言われてからやっと気がついた。家どうしましょうか。

「純も廉もウチにおいでよ? 皆でクッキー食べようよ!」

 私達の会話を聞いていたのか否や、何とも言えないタイミングでそう言った。聞こえていたのかな?

「とりあえず、皆帰りに家に来なよ!」

 希はそう言って席に着いた。