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　卍　1　

　
　きーんコーンかーんコーン…………

　気づけば休み時間だった。

　言いかえれば

　「自由」時間…

　隣席の女子・万寺浬.希野(マンジリ.キノ)。

　こっちを見た。薄い笑みを見せる。

　何か言う合図…　だよな?

　彼女が発する言葉は,もうわかっていた。

　「はやく,やろうよ♪」

　俺はうなずきもせずに,一人の男子の場所へ歩みを進める。

　そいつが…　ターゲット…


　ーーー　などではなく,いじめのベテラン3人組の一人。

　俺・着飾.明和(キカザリ.ミンワ)

　万寺浬.希野

　そしてその男こそ,大加瀬.宇斗(オオカセ.ウト)

　この最強で最悪な軍団の唯一のターゲット…

　男鹿市.羽優(オガシ.ハウ)…

　
　俺達3人は、クラスの嫌われ者さ。

　いじめをしているからかな…ただイメージで嫌われた。

　理由なく　ただ乱暴に「いじめてる」ワケではないのに…

　しかし,そんな羽優も俺達以上の嫌われ者だった。

　すぐ自慢する…しかも

　自分が好きな物はとことん愛し、興味無い物を侮辱する。

　食べ物や場所、そして有名な歌・アーティストでさえも。

　だから彼女の周りには人が寄らない。

　話をバカにされるだけ。

　そう＿＿きっかけはそれだった…

　俺達の…「いじめる生活」。

　
　「俺達＿＿＿バンド3人で目指してるの＿＿」

　「　…えぇ〜!ありえな〜いっ!
　　ヴォーカル誰がやるのぉ?
　　みんな音楽成績ダメダメじゃぁんっ!
　　最悪だね、その夢♪」

　　
　俺達のやわらいでいた顔が固まった。


　卍…　前後　!
　
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