社会問題小説・評論板

Re: ワタシのイキル意味 ( No.15 )
日時: 2010/11/02 20:56
名前: 発戸 (ID: g8t52Hd5)

十二話[約束]

『昼休みの時体育倉庫のところに来て!
                あすか』
そんな紙が教科書の間に挟まっていた。
字が下手・・・。
しかもあすかなら直接言うし。
あすかの真似をした誰かなんだろう。
あすかの真似をするとかひどいな・・・。
私は体育倉庫に行くことにした。
あすかには「ちょっと用事があるから・・・」って嘘をついた。
ごめんね。
でもやっぱり友達の真似をする人はむかつくから。
私は体育倉庫に向けて歩き出した。

「あすかの真似して何?」
私は体育倉庫に向けて話しかける。
もちろん誰も居ない。
すると後ろから3人の馬鹿が出てきた。
『あっれ〜?ばれてるみたいなぁ?』
可愛らしい声を出すのは柏崎。
『何強がってるの?』
斎藤も続けて言う。
『最近・・・本当に態度でかくなったわよね』
最後に小柳が言った。
「・・・で何?」
すると柏崎が私の顔をグーのまま思いっきり殴った。
『お前見てるとむかつくんだよぉおおおお!』
やばい。まじで痛い。
すると斎藤は私を押す。
私は自動的に体育倉庫の中へ・・・・って!
「なにす———————」
『放置プレイ・・・なんてね』
小柳は狂った笑顔を見せて私に言う。
まさか・・・。
ガチャッ

鍵の閉まる音がした。
「ちょ!冗談はやめてよ!」
ここの体育倉庫は古くて、新しい体育倉庫があってこっちの体育倉庫には誰も来ない。
私はドアを思いっきり叩く。
『あ!これだったらあすかとの約束破っちゃうわね〜』
「っ!!」
約束・・・。
   
   *     *    *
 
休憩時間のときに言われた一言。
『もーね!昨日美味しいケーキ屋見つけたから一緒に今日の放課後行かない?』
「ふぇ?」
こんなのは久しぶりだった。
苛められてたから誰も誘ってくれなかった。
だから私を誘ってくれるあすかが天使に見えた。
『ケーキ嫌い?』
悲しそうな顔をして顔を傾ける。
可愛い!!
「ううん!むしろ好き!今日行こうね」
私がそう言うとパァーっと明るくなって
『うん!じゃぁ約束!指きりしよっ』
そう言って小指を絡ませる。
本当に可愛い。
私はものすごく幸せな気分に浸っていた。

  *     *     *

この約束。
まさか小柳達が聞いてたなんて思わなかった。

折角できた友達。
裏切ったら絶対に—————————嫌われちゃう。
私は段々涙があふれてきた。
でも放課後までは時間があるから大丈夫・・・だよね?

絶対に約束は破ったらいけない。


嫌われたくはない。


絶対にここから脱出して見せる!