社会問題小説・評論板

Re: ワタシのイキル意味 ( No.17 )
日時: 2010/11/08 15:43
名前: 発戸 (ID: g8t52Hd5)

十四話[聞いてもいい?]

キーンコーン

「ねぇ!誰か居ないの?!お願いだからっ———」
私の声は暗い体育倉庫の中にだけしか聞こえない。
放課後のチャイム。
誰も結局来なかった。
「ねぇ、、これじゃぁ、、これじゃぁ、、」
段々掠れていく声。
「あすかに嫌われちゃうよぉ————」

こんなにも友達に嫌われるのが怖いなんて。
こんなにも誰かのことを思っちゃうなんて。
こんなにも—————————————・・・。

『まだ脱出出来ていなのね』
この声は小柳。
「ねぇ。小柳、さっさと開けてよ」
私は精一杯の声を出して叫ぶ。
ドンッ
『何が・・・小柳よ!私は舞よ!』
小柳が体育倉庫の扉を蹴りながら叫ぶ。
『あんた何か嫌われればいいのよ』
「っ!」
小柳がそう言ったら斎藤と柏崎もクスクス笑った。
お前らも居たんだね・・・。
『そんなにあすかに嫌われるのが怖い?』
斎藤が笑いながら言う。
『そんなに一人になるのが怖いのかしら?』
柏崎がお嬢様ぶって言う。
そんなんじゃない・・・。
私はただ————————————。
「私はあすかとの約束を守りたいだけ。たった一人の大切な—————」

—————親友

私はそう言うと一斉に笑いだした。
『そうだったわ。あすかは約束を守らない子が嫌いだったわ』
小柳が挑発してくる。
「嘘付け!お前にあすかの何が分かるの?!」
『—————あんたこそあの子の何を知ってるの?』
「っ!!」
そういえば私はあすかの何を知ってるのだろうか。
明るくて、可愛くて、はっきりと何でも言う子。
『私はね・・・。あすかと同じ小学校だったのよ』
「・・・ぇ?」
何それ。
そんなこと一度も聞いたこと無かった。
『私と仲良しだったのよ?あすか。』
「そんなわけ無い!」
『あすかは何もカスに言ってないのね・・・。』
ぇ?
何のこと?
『面白い・・・。じゃぁあの子の事教えてあげる』
そう言って光が差し込んできた。
小柳達が開けたみたいだった。
『別に逃げてもいいのよ?』
『ただし・・・あすかの過去が聞きたいなら———』
柏崎と斎藤が続いて言った。

何でだろう?
私あすかといつも一緒に居たのに全然知らないや。
あすか。
あすかの事知ってもいい・・・よね?

私は決心して小柳達に言う。
「あすかの事・・・教えて」
『・・・後で後悔しても遅いわよ』
そう言って妙に笑う小柳達。

ごめんね。

あすかの過去聞いちゃうよ。

でも私ももっと知りたいから。

もっともっと

あすかと仲良くなりたいから—————————・・・。