社会問題小説・評論板

Re: ワタシのイキル意味 ( No.19 )
日時: 2010/11/10 20:06
名前: 発戸 (ID: g8t52Hd5)

十六話[いっその事]

そらからというもの、私は彼女に苛めを行っていた。
こっそりと。
あすかにばれないように————・・・。
それでもいつも笑っていた。
むかつく。

『・・・最近舞となにかあったか?』
あすかが彼女に聞いていたのを私は遠くから聞く。
『ううん!全然!』
また笑う。
何で笑うのよ。
何であすかに言わないのよ。
私の足は勝手に二人の元へと動いていた。
「谷口さん!ちょっと来て」
『っ!何?』
私は彼女の腕を強く握って教室を飛び出した。
あすかは険しい表情を浮かべてたのを知らないまま———・・・。

空き教室で私は彼女を壁に追い込んだ。
「ねぇ!何でそんなにあすかに馴れ馴れしいの?」
『そんなわけ———』
「いつもいつもあんたはあすかに笑ってさー。皆あすかの事好きなのにあんただけが独り占めして!」
私はいつの間にか彼女を叩いていた。
彼女は痛そうに蹲る。
「あんたがいなければっ!」
『でもあすかちゃんは舞ちゃんだけの物じゃない!』
彼女は唇を噛みしめて強くそう言い放つ。
そんなトコがむかつくんだ!
「お前は転校生なのに何で出しゃばってんだよ!!」
空き教室に響く怒鳴り声。
私は彼女を何回も何回も蹴ったり殴ったりしていた。
お前にあすかの何が分かる?
私の方があすかと一緒にいる時間は長いんだ!

『・・・ま、、、い?』
声のする方を見る。
そこにはあすかが驚いた表情でこっちを見ていた。
「あ、、、、すか?」
体全身が震える。
「あすかこれには訳が——————」
『彩加!!』
そう言いながらあすかは彼女の元へ走っていく。
『彩加大丈夫か?』
心配そうに彼女を見つけるあすか。
私にはそんな目で見てくれたこと無かったのに・・・。
『あすかちゃん大丈夫だよ?ごめんね』
あははと笑う彼女。
・・・まだ笑うの?
『舞。これ、どういう意味?』
力強い眼差しであすかは私を見る。
少し肩が揺れる。
「違う。私は何も—————」
少しずつ涙があふれてきた。
何で私泣いてるの?
『違うよ。あすかちゃん。舞ちゃんは何も悪くないよ』
そう言って私の涙を彼女がハンカチで拭く。
止めて。
触らないで。
「汚れるから触らないでっ!」
いつの間にかそう叫んでハンカチを払っていた。
茫然とした表情であすかと彼女は私を見る。
「何よ!可愛こぶって」
『ま、、、い?』
あすかは私を見ている。

もう今までと同じ関係には戻れない。

それならいっそあの子を今までよりもずっと苛めてしまおう

私とあすかの邪魔をしたアイツを

もっと今までよりもひどく

今までよりも辛くさせてやるっ!