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社会問題小説・評論板
- Re: ワタシのイキル意味 ( No.20 )
- 日時: 2010/12/24 20:26
- 名前: 発戸 (ID: g8t52Hd5)
十七話[叫び声]
『おはよう』
ガラッとドアが開くと私の嫌いな奴が入って来た。
そう・・・。
「おはよう”谷口彩加”」
私が彼女に笑いながら挨拶をする。
『おはよう。舞ちゃん』
彼女も笑いながら返事をした。
「っく!」
そういう所がむかつくのよ。
いっつも辛そうな顔見せずに笑いやがって!
私はいつの間にか彼女を押し倒して殴っていた。
「そんな馴れ馴れしく呼ばないで!舞って呼んでいいのは私の友達だけよ!」
私の友達ー———広重あすか。
一瞬あすかの笑顔が脳裏を遮った。
「っくそ!あんたが転入しなければ!あすかは私の親友だったのに!!」
そう言ってもっともっと強く殴る。
彼女は痛そうに蹲る。
だけど泣き声とか一切叫ばなかった。
ガラッとまた開く音がする。
『おはよ〜う・・・って彩加!!!』
あすかが教室に入って来たのと同時に私達を見つけると駆け寄って来た。
それは私にじゃなくてアイツにー——・・・。
『舞!!止めろ!!』
あすかはキレたのか私を強く押した。
その衝撃で私も尻もちをつく。
『ごめん舞。でもどうして彩加を殴るんだ?!』
彼女と手を繋ぎながら私を見下す二人。
教室の皆は唖然。
『あすかちゃん!私が悪いんだよ!!』
必死に私を庇う様にあすかに言う彼女。
『彩加は黙ってろ!!!』
あすかの叫び声で教室が静まり返る。
私も・・・多分彼女も聞いたことの無いあすかの叫び声。
嗚呼。
本当に怒ってる。
どうしよう。
分かってたはずなのに
嫌われるって分かってたはずなのに
やっぱり
やっぱり
あすかにだけは嫌われたくないっー——ー————!!
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