社会問題小説・評論板
- Re: ワタシのイキル意味 ( No.29 )
- 日時: 2010/12/28 11:57
- 名前: 発戸 (ID: g8t52Hd5)
二十話[気づかなかったSOS]
〜あすか視線〜
「おはよう彩加!」
いつものように彩加に挨拶をする。
「昨日は悪かったな。寝坊してさ〜」
『あ。あすかちゃんおはよう・・・。』
いつもの彩加じゃないみたいだった。
「・・・昨日何かあったのか?」
真顔になり彩加の方を見ると眼を反らされた。
「っ!!」
いつの間にか彩加の手を取って屋上の階段を上がっていた。
途中に先生の呼びとめる声が聞こえたが無視してきた。
「ねえ。彩加昨日何かあった?」
青空の空を見上げた。
心のもやもやとか色々なものを消してくれそうな空だった。
『別に何もないよ』
「嘘付くな」
それっきり彩加は無言になってしまった。
「あたしは彩加の何?友達じゃないの?相談し合えるのが友達なんじゃねーの?」
優しく言い聞かせようとした。
『あすかちゃんは私と居て辛くないの?』
彩加があたしをやっと見てくれた。
彩加の眼は涙目で今にでも泣きだしそうな目だった。
「辛いって思っていたら彩加の隣なんか居ないよ」
『でも私は舞ちゃんに苛められてるんだよ?あすかちゃんに迷惑かけてるんだよっ?!』
とうとう泣きだした彩加。
私は彩加の背中を優しく撫でながら言う。
「一度も迷惑だなんて思った事無いよ。あたしの前で彩加は泣かないから助けも出来ないんだ。」
『私が泣いたら皆に迷惑がかかる・・・。』
「でもお前のSOSは分かりづらいんだ。だからこそもっともっと頼って欲しい」
『・・・一回死にたいって思ったことあるんだよ』
「あたしは彩加の支えになってない?今のあたしじゃお前を助けられてないか?」
『違う!!あすかちゃんは悪くな———』
「お願い!死ぬなんてことはしないでょ・・・。」
段々掠れてくる声。
いつの間にか二人泣いていた。
ごめんね彩加。
彩加の事知ってるようで全然知らなかったよ。
今からでも遅くないかな?
今からでもまだ間に合うかな?
今からでも助けられる?
ごめんね。
助けるから
だから
死ぬなんて事絶対に考えないでよ——————・・・。