社会問題小説・評論板

Re: ワタシのイキル意味 ( No.33 )
日時: 2010/12/28 20:11
名前: 発戸 (ID: g8t52Hd5)

二十二話[自殺]

〜あすか視線〜

放課後。
学校が終わり教室から出ていく。
すると彩加はバッグも持たずに教室を出ようとしていた。
「彩加どこ行くの?」
『ちょっと先生に呼ばれて・・・。』
「じゃあここで待っとくね」
それだけ言い彩加は教室を出て行った。

誰も居ない教室は本当に静かだった。
ガラガラッ
ドアの開く音がして、視線を向けたら舞が居た。
『あすかどうしたの?何で残ってるの?』
「彩加待ってる」
『谷口なら屋上へ走っていったわよ』
「ぇ」
あたしは教室を飛び出し、屋上へ走っていた。
後ろから舞も付いてきた。

「彩加!!」
屋上の扉を勢いよく開ける。
「さ、、や、、か?」
彩加はフェンス越しに居た。
—————靴を脱ぎ自殺しそうな状態で
『あすかちゃん!!』
彩加は驚いたようだった。
あたしは彩加に近づこうとしたけど彩加に『来ないで!!』って言われて近づけなかった。
『ごめんねあすかちゃん。でも決めたことだから』
彩加の横顔には涙が伝っていた。
「彩加待てよ!ふざけんなよ!!何でそんな馬鹿な真似をっ———!!」
涙が邪魔して言えなかった。
舞も唖然としていた。
『本当にごめん。あすかちゃんと遊べて楽しかったよ』
そう言いながら笑う。
「やめてよ!何で最後見たいに言うんだよ!冗談はよせよ」
必死に叫ぶ。
『舞ちゃんともっともっと仲良くなりたかったなあー』
冗談っぽく言う彩加。
『嘘、、、で、、、しょ?』
舞も信じれていなかった。
『私は死ぬけど、全然あすかちゃんのせいでも舞ちゃんのせいでもないからね』
そう言って笑う彩加。
「お願い。やめてよ!もっともっともっと彩加を支えるから!!」
『ごめん』
「死ぬなんて嫌だよ!考え直してよ!!」
子供のように泣き叫ぶあたし。
『ごめんね。』
そう言って最後に見せた彩加の顔は笑っていた。

「いやあああああああああああああああああああああああああ」

あたしの眼にはもう彩加が映っていなかった。

彩加は一瞬にして私の視界から消え去って逝った。

雲一つない綺麗な空

そんな日

”谷口彩加”という存在は







あたしの眼の前から消え去った