社会問題小説・評論板
- Re: ワタシのイキル意味 ( No.36 )
- 日時: 2010/12/29 19:21
- 名前: 発戸 (ID: g8t52Hd5)
二十三話[葬式]
〜あすか視線〜
周りを見ると皆黒の衣装。
私も黒の衣装だった。
今日は彩加の葬式。
泣いている人がたくさん居た。
壇上には彩加が笑っている写真。
「・・・っ!!」
あたしは彩加を支えられて無かった。
そう思うと悔しくて———————・・・。
『貴方は広重あすかちゃん?』
「そう・・・ですけど・・・。」
多分泣いてたのだろう。
その人は眼が真っ赤だった。
『私ね彩加の母よ』
そう言って彩加によく似た笑い方をする彩加の母。
「初めまして」
すみません。
今のあたし、笑えません。
『彩加と仲良くしてくれてありがとうね』
「————あたし何もしてあげれて、、ま、せ、ん」
段々涙が溢れて来る。
涙止まってよっ!!
あたしの涙を彩加の母はハンカチで拭いてくれた。
『彩加ね。いつも帰ってきたらあすかちゃんの話しをしてくれたのよ!”今日ねあすかちゃんとね〜!!”って。』
「あた、、し、、、は」
『ごめんね。一番辛かったのはあすかちゃんだよね』
そう言って彩加の母は優しく、優しく抱きしめてくれた。
「あたしは、、、辛くな、んて、、無かった。彩加が、一番一番!!」
『一番悪いのは苛められていたことに気づかなかった私よ』
そう言った彩加の母からは一杯涙が出ていた。
「あたし、、支えるなんて、、、言った癖に、結局、、、何も、、できなかった!!」
『ごめんね、あすかちゃん』
もう居ないんだ
もう彩加は帰ってこない
またあの笑顔見たいけどもう居ない————・・・。
『これ。彩加が渡してって』
「て、、がみ?」
そう言って渡されたのは可愛い手紙だった。
『今度遊ぶ約束してたんでしょ?その時に渡してって言われたの』
「・・・」
『あの子本当にあすかちゃんの事が本当に好きだったから・・・。』
「あたしも大好きでした。これ貰ってもいいんですか?」
『当たり前よ!』
そう言って笑った彩加の母。
「っ!!」
一瞬彩加の笑った顔と重なった。
また涙が溢れてきそうになった。
だから彩加の母に一礼をし、葬式会場の外へ向かった。
もう戻って来てくれないんだね?
もう笑ってくれないんだね?
もう一緒に話したり、悩んだり、笑ったり、泣いたり出来ないんだね?
もう一生会えないんだね————・・・。