社会問題小説・評論板

Re: ワタシのイキル意味 ( No.40 )
日時: 2011/01/03 13:26
名前: 発戸 (ID: g8t52Hd5)

二十四話[今さら遅い]

今日は谷口の葬式の日。
周りにはたくさんの人々が来ていた。
壇上にはアイツの笑った写真。
ああ————・・・。

私が殺したんだ————————・・・・。

キョロキョロと回りを見渡してみた。
たくさんの人が泣いている。
・・・。
あ。あすかだ。
遠くにはあすかが一人立っていた。
あすかの目は死んだような目をし、壇上のアイツの写真を見ていた。
———今のあすかの目には光が灯っていない。
ごめんね。
あすか。
私、結局あすかを苦しめてばっかりだね?

すると私の前に一人の女性が来た。
『あなた・・・。小柳舞ちゃん・・・かな?』
その女性の人は誰かと同じような笑い方をして聞いてきた。
でも目が赤い。
・・・この人も泣いてたんだ。
「はい。そうですけど?」
『良かった。私ね彩加の母よ』
ああ。そうか。
この人の笑いはアイツと同じ笑いだったんだ。
「そうですか。」
短く言葉を済ませる。
多分この人は私を怒りに来たのだろう。
『彩加がね毎日話してくれたわよ〜!”舞ちゃんはお嬢様みたいで可愛いんだよ!”って』
「ぇ?」
嘘でしょ?
私いつもアイツを苛めてたんだよ?
『そうそう。これ。舞ちゃんに渡してって言われたんだけど・・・。』
そう言って渡されたのはノートの切れはしだった。
「なんですか?」
『貰ってあげてね?いつもありがとうね』
そう言ってアイツの母は笑った。
おもわず目を反らしてしまう自分。
『あ、あの子広重あすかちゃんかな?』
そう言ってあすかの方へと走り出した。

「・・・。」
私はアイツの母から貰った切れはしを眺めていた。
手紙みたいに折りたたまれていた。
慎重に開けてみる。
「っ!!!!」

『舞ちゃんへ
  今までたくさん迷惑かけちゃったね?
  ごめんね。
  私が死んだのは舞ちゃんのせいじゃないからね!!
  
  私ね舞ちゃんみたいなお嬢様になりたかったなあー
  可愛くて、あすかちゃんと話しているときは可愛く笑って!
  憧れてたんだよ?
  もし今度会えたら一緒に遊びたいなあー
  一杯話して、一杯遊んで、一杯仲良くなりたい!!
                彩加より。』


可愛い字。
何で最後の最後まで私に優しくするの?
私貴方を苛めてたんだよ?
「っ、、、ぅ、、、」
段々、文字が掠れてきた。
アイツから貰った手紙は私の涙で濡れてきてる。
「さ、、、や、、、か、、」
私はアイツの名前を小さく呟く。
何でアイツの良さに気付いてやれなかったのだろうか
今頃、好きになったってもう遅い
「さや、、、か、、私も、、、あんたに、あ、、こが、れて、たんだ、、ょ」
ごめんね。
今謝っても遅いよね。
もうこの涙は止まらない。

ちらっとあすかが葬式場を走ってでていくのが見えた。
私は何も言えず

ただ

じっと

肩を揺らして泣いていた——————・・・・。