社会問題小説・評論板

Re: ワタシのイキル意味 ( No.47 )
日時: 2011/01/04 16:53
名前: 発戸 (ID: g8t52Hd5)

二十六話[今まで]

泣き終え疲れ切った私は葬式場の外へと出た。
そこにはあすかが一人木の下にいた。
雨なのか涙なのか、あすかの横顔には一粒の雫がこぼれ落ちた。

「・・・あすか」
あすかの前に立ってあすかに話しかける。
あすかはゆっくりと手紙から私に視線を向けた。
『・・・。』
「あのね私————」
『何も聞きたくない!!!』
「ぇ!?」
行き成りの怒声。
こんな声初めて聞いた————・・・。
やっぱ彩加を殺したのは私だってあすかも思ってるんだ。
当たり前だよね?
『もっとあたしが早く苛めに気づいていればっ!!もっとあたしが支えてあげたら!!こんな事には———。』
それっきりあすかは喋らなくなった。
「あすかが悪いわけじゃないよ。」
『あたしが悪いんだっ!!』
「違うよ。心が弱かった彩加が悪いんだよ?」
そこまで言うとあすかは行き成り立ちあがった。
そして————・・・。
私の胸ぐらを思いっきり掴んで怒り始めた。
『彩加は弱くなんかないんだ!!最後までお前を庇い続けたんだぞ!』
うん。
知ってるよ。
『彩加はあたしのせいでもお前のせいでも無いって言ってんだぞ!』
うん。
紙に書いてあった。
『彩加はなぁ・・・・。』
そこまで言ったら、あすかは手を離し私に背を向けた。
『一番優しくて、一番強い女の子だよ。』
そう言うあすかの背中は震えていた。
泣いてるんだね・・・・。
「・・・あすか。」
ごめんね、あすか。
『お前の事は恨まないよ。彩加が恨むなって言ってるし、お前が全て悪いんじゃないからな』
「・・・。」
『でも!今までと同じ関係にはもう戻れない———・・・。』
「ぅん」
そうだよね。
分かってたけど。
心のどこかでは期待していたかもしれない————・・・。
『じゃあ。あたしもう帰るね。バイバイ”小柳”』
「———っ!!!」
それだけ言うとあすかは帰って行った。

初めて名字で呼ばれた。
初めてあったときからあすかは『舞』って呼んでくれた。
もう『舞』って呼んでくれないんだね。

初めて知ったよ


——————「辛い」っていう気持ちを。