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社会問題小説・評論板
- Re: 私は反旗を翻す【若干実話】 ( No.120 )
- 日時: 2011/01/09 21:39
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
第二十五話「復讐の真意」
「……大嫌いだよ。心の底からそう叫べるくらい」
私がそう断言すると罪木は微笑みを崩さずにこちらを見ていた。私も罪木を見つめ返しながら彼が話すのを待つ。
すると、罪木は期待を裏切らずに話し始めた。
「じゃあそんな奴と同じ事をしてて嫌じゃないのかな」
「別に。……言っておくけど私はあくまで自分のエゴでこれをやってるんだし」
「自分のエゴ?」
「自分自身の思いで動いてるから……って言えば良いかな」
元々、小島がムカつくとか嫌いだから虐めるとかそう言うつもりは無い。
……ただ復讐を、自分の思いを知らせる為にやっているんだよ。
私は敢えてそれを言葉に出さず罪木を見ていた。罪木は何となく理解したような表情をしている。
それ以降は何も言わなくなったので東街と他愛の無い話をしていた。
と言うか今日も美術あったんだっけ……。
「なぁ、真白ちゃん」
ふと罪木が微笑みを無くして、真剣な表情でこちらを見ていた。私が黙って罪木を見ていると、罪木は口を開く。
「真白ちゃんは何があって先生に復讐なんかしてんだ?」
……今度はそう来ましたか。
私は口に出さず心の中で毒づきながらただ一言、
「色々あったから」
とでも言っておいた。
罪木、そして東街まで腑に落ちない顔でこちらを見ていたけれど本当に色々あったので何も言わないでおく。
そして場の空気が突然静かになったので私は黙って歩いていた。
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