社会問題小説・評論板
- Re: 私は反旗を翻す【若干実話 第二十六話更新】 ( No.138 )
- 日時: 2011/01/18 21:25
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
第二十七話「あの時の私のように」
姿を見るだけで自分の心がイライラとしてくるのが分かる。けれど、今は何とか抑えておいた。
全員作戦を伝えていたので一応は静かに席について、日直の号令を待っている。
「きりーつ!」
全員立ち上がり、これまた一応は黒板を見ていた。
小島はお決まりの腕を組んだポーズで立っていて無性に腹が立ったけれど放置しておく。
「礼!」
「おはようござい……「ちょっとちょっとちょっと!!」
……早速きたよ、こいつ。
私は小島に見えないところで溜息を着いてから前を見た。
何が不満なのか、みんなの言葉を遮りながらむすっとした表情と見せて来る。
「皆さ、声小さいよ? 夏休み明けてからすぐにこんなんじゃ冬になった時皆ますます声小さくなっちゃうじゃ〜ん!」
だから何ですか?
と言うか貴女の勝手な推測ですよね、それ。
クラスの恐らく全員がそんな事を思いながら小島を見ている。
……流石にもう我慢できない。
私はふぅ、と小さく溜息を着いてから自分でも分かるくらい冷ややかな目で小島を見た。
そして、もっともな正論をぶつけてみる。
「こう言う暗い雰囲気がクラス中に伝わっちゃ「先生。要は明るく挨拶をすれば良いんですよね?」
「何でそこまでくどくど無駄に言う必要あるんですかー?」
小島が怒りか何かにぶるぶると震えだすのに間髪入れず、桜瀬が小島を小馬鹿にしたような目で見ながら話す。
そこで皆がドッと笑い出し、小島は屈辱と怒りで怒鳴り始めた。随分と自分に関しては甘い人だと思う。
「皆なんで笑うの!? と言うか雪上! お前部活辞めたからって偉そうにす「雪上さんを退部に追い込んだ奴は誰ですか、先生」
私を指差しながら怒りに任せて怒鳴り散らす小島に今度は葉月が小島をきつく睨んで言った。
そこで小島の表情は焦りに歪み、生徒からのジト目と今にも「最低!」と言いそうな軽蔑した表情を見てやや怯え始める。
…………ザマァ見ろ。
「そっ、それは……」
「………………私は先生のせいだと思いますよ。本人から聞きました」
「私も思います! と言うか先生自覚無いんですかー?」
「先生、昨日最低って言われたのも自分のせいですよ?」
椿、桜瀬、葉月の順に小島に次々と事実をぶつけている。小島は「う、うぅ……」と唸るだけで返答できていない。
……まるで、勝手にコンクールに出させられた時の私みたいに。
まぁ、いくら小島がそんな目に合おうともアイツは私の思いなんて理解しないと思うけれど。
「とっ……とにかく今日は美術あるから、静かにして下さいね!!?」
そう言って小島は半ば強制終了と言う風に教室から出て行った。
作戦成功。