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社会問題小説・評論板
- Re: 私は反旗を翻す【若干実話 参照800突破!】 ( No.174 )
- 日時: 2011/01/23 14:16
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
第三十話「連携」
「もう一度言う。あんたの隣の黒山は、小島由香里に脅迫されている……分かったか?」
私は頷こうとしたけれど止めておいて、机を二回叩いた。
すると佐久間は「了解」と小さい声で言うと話を続ける。
「ぶっちゃけ脅迫は少々悪いと思うんで、あんたにちょっと協力してもらうつもり」
「……協、力?」
いきなり協力を要請されて私は佐久間くらいにしか聞こえないであろう小さな声で言った。
……協力って、何をしろと?
私がそう言いたくなるのを奇妙なくらいに察して佐久間は話し出す。
「俺は先生を説得してみる。だからあんたは黒山を説得してくれないか?」
「…………黒山を?」
黒山を説得する……多分、脅迫されている事を黒山から聞き出せって事だろう。
私は机をまた叩いてYES、と示して佐久間の返答を待つ。
佐久間は恐らく話の流れからすれば小島をどうにかするつもりなのだろう。
…………どうやって?
と疑問が浮かんだけれど、そこは敢えてスルーしておいて、佐久間がまた話を始めたので聞く。
「あんたは授業の終わり、いや、放課後でも良い。黒山から得意の口で聞き出してくれ」
「了解……。あ、佐久間は?」
「俺は何で脅迫なんかしたのか聞いてみる。面白そうだし」
……面白そうで動けるなんて、かっこいいなぁ。
何て呑気な思考を働かせつつ私は黙っておいた。すると佐久間も黙り、そこで話が終わる。
つまり、私は放課後に黒山が脅迫されている事を本人の口から聞き出せば良いと言う事だろう。
突然やって来た事に少し戸惑いを感じたけれど、一応信じておく事にしておいた。
(……もし、佐久間が先生の真意を聞きだせるのなら……)
それはそれで、新事実の発見になりそうだし……ね。
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