社会問題小説・評論板

Re: 私は反旗を翻す【若干実話 参照800突破!】 ( No.176 )
日時: 2011/01/23 15:01
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)

  第三十二話「最終始動」


「じゃあその配役を忘れず、放課後実践しよう」


私がそう言って全員席に着き、二時間目が始まる。
けれど部活を辞めたあの日のように授業なんてあまり耳に入らず、三、四時間目と時が進んでいた。

そしていつもならグダグダと進むHRも気付けばあっと言う間に終わり、放課後になる。

……本当に時が進むの早いなぁ。

そんな事をぼんやりと考えながら、一旦教室から出る。黒山は俯きながら椅子に座っていて、まだ教室からでていない。
それを確認してから私達は円を描くようにして集まって、小声で作戦の最終確認をした。


「じゃあ私と椿が黒山から話を聞く。それで桜瀬と葉月と燐が佐久間と先生の話を聞きながら、周りの状況を確認する……で良いよね?」


全員頷く。私はそれを確認してから椿と共に教室へ入った。
そして三人は佐久間が教室から出た後向かっていた美術室へと走り出す。


「椿」
「……何?」


不意に椿に声をかけると、いつも通りの怪訝そうな表情が帰ってくる。
私はいつも通りの椿を見て妙に安堵しつつも、話した。


「何だかんだで私、君にお世話になってるよね」
「あー……まーそうなんじゃない?」
「「べっ、別にあんたの為なんかじゃないんだからね!」とか言わないのー?」
「うちがツンデレだって言いたいのか、お前」


そう言って椿は私の首根っこを掴んできた。

……やっぱツンデレじゃんかよ、君。

そんな事を考えて微笑んでから黒山の席へと向かう。何故かは知らないけど黒山はまだ席に座っている。
今日は部活の無い日だから、いつもの黒山ならとっくのとうに教室から出て行って帰っているだろうに。

……やっぱ先生が絡んでそうだね、これは。

そんな事を頭に留めつつ、私は黒山の前に立つ。黒山は怪訝そうな表情をしながら口を開いた。


「何だよ……。馴れ合いなら他所でやれっつったろ。帰れ」
「生憎、馴れ合いしにきた訳じゃないんだ。ちょいと事情聴取的な?」
「はぁ? 意味分からねーよ。お前らに何を言「脅迫されてる、とか……?」


黒山の空気が一瞬止まった。
私はそれを確認してから、静かに話し始めた。