社会問題小説・評論板
- Re: 私は反旗を翻す【若干実話 参照800突破!】 ( No.178 )
- 日時: 2011/01/23 16:25
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
第三十五話「決着」
「俺のせいって……何故に?」
黒山は一瞬顔を俯かせてから、決心をした風に話し出す。
「……俺の親は、モンスターペアレンツなんだ」
「友人との喧嘩で自分の子がどうのこうので親が勝手に訴えた……とか?」
椿がやや何かを思案するように天井を見つめてからそう言った。
すると黒山はいかにも図星、と言った風な表情をしてから静かに頷く。意外と顔に出やすいタイプらしい。
そして椿はそれを確認してから続きを促す風に黙りだし、黒山が再度話し始めた。
「それで先生、凄い色々悩んでたみたいなんだけど、俺には何も言わなかった」
「……それで?」
「だけど、今日呼び出されて……“親の事は誰にも言わないから、雪上を何とか黙らせて”……って言われたんだ」
…………。
これは私がいけない、か……。
復讐が始まってから小島の何かが切れて、黒山が…………。
「ごめん、黒山……私の考えが甘かった」
「いや、でも雪上が先生に復讐をしているのって「いや、黒山に比べたらまだマシだと思う」
私はそう言って微笑んでから、走って教室を出た。
椿と黒山が呆然とした表情をしているけれど、気にしない。
「真白、どこ行くの?」
「ごめん椿。ちょっと私……先生と決着(ケリ)つけてくる!」
そう言って私は廊下を走り出す。
すると椿は教室を出て、突っ立ったまんま両手をメガホンのようにして叫んだ。
「決着着いたら、報告してよー!」
私は走りながらも親指を上に突き立てて、階段を下りた。
そして階段を下りて三階へと着くと其処には———鳳咲良ちゃんがいた。
私を待っていたかのように平然とこちらへと向かっていて、淡く微笑みながら私の前へと立つ。
「咲良ちゃん……?」
「君、先生と話し合いでもするんでしょ」
突然何なんだろう、と思いつつ頷く。
すると咲良ちゃんは淡い微笑を少し和んだような感じの、優しい微笑みに変えて私に手を振った。
「どうせなら面白い決着、つけてよ?」
「…………うん。分かった」
どうやら私と椿の会話を聞かれていたらしい。
苦笑しつつも私は咲良ちゃんに手を振り替えし、美術室へと向かった。