社会問題小説・評論板
- Re: 私は反旗を翻す【若干実話 九話up】 ( No.20 )
- 日時: 2010/12/13 17:14
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
第十話「澄森 椿」
私が倒れた理由は医者によると疲労とストレスが溜まっていたらしい。
その後、私は三日ほど入院して暫く休部する破目になった。
でも、まだ部活に行くと考えると自然と涙が零れそうになっている。
精神病とでも言うのかな。
私がおかしいのかな。
そんな事ばかり考えてる気がした。
ピンポーン♪
休部してから二日後。
部活の先輩や友人からのメールや手紙を受け取ったりして、一段落着いた時だった。
家のチャイムが鳴り、親はインターフォンを確認するなり私を呼んだ。
何ですか一体……。
とか思いつつインターフォンの画面を見てみる。
と、同時に衝撃を受けた。
「つっきー!?」
つっきー、こと澄森椿。合唱部所属の私の友人。
何でもどっかしろから私の休部を聞きつけてきてくれたらしい。
妙に嬉しくなってさっさと扉を開ける。すると夏休み前以来の友人の姿。
……って、今は嬉しくなれる状況でも無いか。
私は苦笑しつつとりあえず椿を部屋へと案内した。
そして椿は入って来るなり、私に一言聞いてくる。
「……何があったの?」
……色々ありましたよ。
とか思いつつ一応先生以外には素で明るい私は冗談を交えつつ説明をした。
先生の事、コンクール、思い通りに描けない事、そして倒れた原因……。
話している内容があまりにも切実だと大変かと思って和らげようとしたが結局重い話になった。
元々そこまで先生の好きでないらしい椿は時折顔をしかめながら聞いている。
そして、最後まで話を終えると黙り込んでしまった。
「まぁ、部活辞めようと思ってるから良いんだけどね」
唯一、私はそう言う事しか出来なかった。
まぁ驚くのは色々な意味でやっぱ当然かなーとは思っている。
一応普段明るい変な奴がこんな事になっているとすれば、黙り込んでしまうと思う。
幸いな事に、椿は冗談の部分にツッコミを入れてくれたりしたけれど。
「何か、凄い事になってんね……」
暫く黙り込んだ後、椿がそう呟いた。
まぁ、その通り過ぎて私は何もいえなかったけれどとりあえず頷いておく。
休部中の今思えば凄い事なのだ。
先輩にあんな酷い事を言っておいて作品を批評する。
勝手に実力を決め付けて傷つける。
思い通りに描かせない。
やる気を無下にする。
功績を喜ばない。
当然とすら言う。
……良く耐えられたもんだ、私。
そう自分に言い聞かせ、何故か涙が出そうになったので黙っておいた。
するといつの間にか午後五時半になっていて椿は部屋から出て扉へと向かう。
「真白。夏休み明けから、他の人に相談してみたら?」
他の人。クラスの友人って事か。
……私は頷いて、椿に手を振った。
もし、涙すら出せないあの時が部活を辞めようと言うキッカケだとするのなら。
今日のこの話は
復讐のキッカケになったのだと思う。