社会問題小説・評論板

Re: 私は反旗を翻す【若干実話 参照90突破!】 ( No.28 )
日時: 2010/12/14 06:31
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)

  第十二話「原因」

友人の存在に感謝しつつ、私は夏休みにあった出来事を色々話していた。
椿に話したように先生の事、コンクール、思い通りに描けない絵、倒れた原因まで。
此処まで話すと二人とも「えーっ!?」と驚きに満ちた顔でこちらを見てくる。

……うん。まぁ、分かってたんだけどさ……。

苦笑しつつ二人を見ていると桜瀬が腕を組みながら話を始めていた。

「それさ、先生最低じゃない?」
「あ、やっぱそう思う? 部活の友達も言ってた」

そう、今の私は先生が最低だと思う。
椿に会って以来、今まで自分のされた事を思い出してそう言う結論へと至ったから。
燐も「だよねー」と言いながら深く頷いて私に色々慰めの言葉をかけてくれた。
温かい言葉と友人に再度感謝しつつ私達は学校へと歩みを進めている。
ちなみに後一人相談できる「他の人」が居るのだけど、その人は多分もう教室に居る筈。

「あれ? 雪上っち部活は続ける予定?」
「うーん……腹痛が治んないし、医者的には辞めた方が良いってさ」
「最悪じゃん、小島。てか担任なのにキツいよね」

そう、医者からは辞めた方が良いと言われてしまったのだ。
流石お医者さんとも言うべきか先生との関係でストレスになっている事を見抜いてしまったらしい。
けれど部活を病めても先生はクラスの担任でもあるので、何とも言えないけれど。

そして私達は横断歩道を渡り、門を入り、生徒会の三年生に挨拶をし、靴箱のある玄関へと入った。
日に焼けたり逞しくなったりしているクラスメイトを見かけ、色々夏休みにあった話をしている。
私達も他のクラスメイト達に挨拶をしてから、教室へと向かった。
と、同時に私の心臓がドクンと高鳴り、お腹が締め付けるように痛くなる。

……あぁ、先生に会うから嫌なんだ。

ふとそんな事に気付きながら二人の「大丈夫?」と言うのに頷いて、階段を上る。
幸い二階まで着くと腹の痛みは少し治まってきた。と、思っていたその矢先。


「あ、雪上おはよー」

先生が、居た。
へらへらと笑みを浮かべ、腕を組んで偉そうにこちらを見ている。
また痛み出す腹を押さえながら私は感情を押し殺して「おはようございます」と呟いた。

イライラする。
手が震えてくる。
目が見開かれる。
負の感情が襲い掛かる。
殴りたい、と。

コイツを殴ってしまいたいと……!!!


「あ、今部活無いから楽でしょ? それと今日明日辺りにでも部活の事で話そっか♪」

私の感情などよそに、先生は勝手に話して去って行った。

部活が無いから、楽……?
私がどれだけ苦しい思いをして耐えていたのかもしれないで。
私が貴方と言うストレスに耐え続けていたのに?

部活の事で、話す……?
部活を辞めたいと思う原因と話して何をどうするんですか?
第一人の話を聞かない奴に、何を話せって言うんですか……!!

歯をギリリと食い縛り、指の付け根が白くなるほど手を握り、その手で頭を押さえる。
それでも怒りは収まらなくて、涙すら出したくなった。