社会問題小説・評論板
- Re: 私は反旗を翻す【若干実話 十三話up】 ( No.34 )
- 日時: 2010/12/15 17:05
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
第十四話「理不尽な怒り」
キーンコーンカーンコーン♪
私達が急いで席へつくと時間はきっかり八時三十五分。大抵の先生は来ている時間。
……にも関わらず先生は来ていない。
先生が居ないと朝の会やら今日の予定やら色々出来ないので困る。
最初は自由に話せる、と皆騒いでいたけれど時間が経つにつれ段々イライラとしていた。
そんなこんなで今は八時四十五分。隣のクラスでは先生が今日の予定を話している声がする。
私のクラスには先生さえ来ていない。休みと言う事はとりあえず無い筈だ。
「なぁ、先生来ねぇしもう日直始めちゃえば?」
「先生遅ーし号令だけでも始めようぜ〜」
クラスの男子が椅子を前後に揺らしながら溜息をついて言った。
日直の人も先生の来ないのに痺れを切らしたらしく、「了解っ!」と言って立ち上がる。
そして教壇へと行き、日直が朝の号令を始めた。
「きりーつ!」
日直が響くような大きな声でそう言い、皆一斉に立ち上がる。
多分他のクラスが立ち上がる音を聞いてさぞやおかしいと思っただろう。
私がそんな事をぼんやりと考えていたときだった。
「皆おはよ〜! ……って、ちょっとちょっと! 勝手に何やってんの!?」
先生……言ってしまえば小島先生が呑気に挨拶をしたかと思えば怒った様子で日直に問いかける。
……何やってんのかって、先生が遅いせいでしょう。
と言うか遅れた事に関しては謝罪無いんですか?
私は朝の事もあって怒りが溜まってくるのが分かった。
しかし、先生はそんな事も気付かず、お決まりの腕を組んだポーズで日直を睨んでいる。
日直の人、ちなみに女子は理不尽な怒りに訳の分からない、と言う表情をしていた。
するとクラスでリーダー格の女子がガタッと椅子から立ち上がり先生を睨む。
「先生が遅かったから日直が始めてくれたんですよ? ちょっとそれ無いんじゃないですか!?」
ギロリ、と擬音の付きそうな睨みで先生を見ている。私の隣の男子がその迫力にややビクッとしていた。
しかし先生は平然として意味の分からない言葉を発した。
「え? だって私が居ないと朝の会はやっちゃ駄目なんだよ? 森島だって知ってるでしょ?」
「……は?」
「と言うか何で皆そう言う事忘れちゃうのかな〜……ホント自己中直した方が良いって」
はぁ!?
机を蹴り飛ばしたくなるような強い怒りに襲われるけれど私は必死で堪えた。
今に始まったことじゃない。
それに自己中は先生だ。
自分の事を棚に上げてる。
理不尽すぎる。
ふと斜め前を見ると桜瀬がイライラとした表情で先生を見つめている。
そう、いつもクラスは先生のせいでこんな事ばかり。
私はそんな事を考えていると、先生がふと視線をこっちに向けてきた。
「あ、雪上……今日放課後残りなさいよ、分かってる? 早く部活復帰しなさいよ」
……何で、今、言うんですか……?
クラスの人の視線が集まる中、私の中の何かがバラバラと崩れる気がした。
まるで私が悪い事をして呼び出されたような気分がする。
しかも部活は先生のせいで休んでいるようなものなのに……!!
…………どうして、そんな事言うんですか…………!!
どうして……!!
叫んでしまいたかった。
けれど、叫ぶ事は出来ない。結局部活がクラスに変わっただけなのだから。