社会問題小説・評論板

Re: 私は反旗を翻す【若干実話 参照140突破!】 ( No.49 )
日時: 2010/12/17 22:04
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)

第十八話「  始  動  後  編  」


「皆、ありがとう……実は私達、先生に復讐する計画を立ててます。皆協力してくれる?」


彩華ちゃんがそう言うと待ってましたと言わんばかりにクラスの全員が声を上げる。

……流石ノリの良いクラス。

微妙に感心しつつその声を聞いていた。正しく言えば私と椿以外は皆なんか言ってた。


「てかさ、何するー?」
「やっぱ黒板消しじゃね?」
「馬鹿、ベタ過ぎて呆れるっつーの!!」


復讐するとなると早速何をするか話し合いが始まっていた。
そしてとんでもない意見を出してくる男子達をあしらうかのように椿が説明を始めている。

流石、作戦隊長(命名者:真白)。


「出だしっからそう言うのでいくと後々大変だから……徐々にやって行くって感じ」
「おぉー! 流石椿!」
「作戦隊長ナイス〜♪」
「うるさい」


何だよこのツンデレ(椿)……。

作戦隊長と言ってみたもののあっさりとうるさい呼ばわりされつつも私はちょっと面白かった。
今までされきた事がようやく報われる、そんな気がしたから。
そして気付くと教室へやって来た桜瀬や燐も混じり、私達は雑談交じりの作戦会議をしていた。


「じゃあ、とりあえずは授業でシカトでありますか?」


独特の口調で聞いてきた春ちゃんに私は親指を上につきたてて「YES」と伝える。
ちなみに今日は一時間目から美術なのでその作戦を実行するのには十分だった。

そして気付けば先生がいつものヘラヘラとした顔を見せて教室へとやって来た。

けど、今日は不快感を感じない。
否、不快感よりもエキサイティングな気持ちが勝っている。


「これから朝の会を始めます」


笑いを何とか堪えているような日直の声に思わず私も笑いそうになった。
しかし何とか堪えて朝の会を終え、先生の話となる。
いつもは男子が鬱陶しい風に返事をするが今日は違う。全く違う。


「はい。えっとねーうーんと……何だっけ……あ、そうそう今日は一時間目から美術があるから〜……」


シィン…………。


いつもなら、この辺で男子から「うげぇ〜!」と先生を面白がらせる言葉が来る。
けれど今日は男子おろか女子さえも、クラスの誰一人として黙っていた。

早くしろ。

と言う風に睨むような視線を送っている。
そんな様子に気付いたのか小島は戸惑っていた。


「え、えぇっと……皆、どっ……どうしちゃったの? 今日は随分大人しいね」
「……普段大人しくないって事ですか、それ」


私が至って静かに、そう言ってみる。
私から言われる事なんて願っても見なかったであろう小島は案の定戸惑い始める。

馬鹿な奴。
こんな事、夏休みの私に比べればどれだけマシな事だろう。


「う、うぅん……そう言う訳じゃなくて、ね……」


部活の時の偉そうな態度は何処へ行ったのやら。戸惑っている態度を見せまくりだった。





こんなもの、序の口ですら無いのに……。