社会問題小説・評論板
- Re: 私は反旗を翻す【若干実話】 ( No.53 )
- 日時: 2010/12/20 06:37
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
第十九話「作戦」
キーンコーンカーンコーン♪
一時間目の予鈴が鳴り、私達は笑いを堪えきれず小さな声でずっと笑っていた。
今度は私の席で椿達が集まっている状態。
「本当に面白かったね! 雪上っちがあんな事言ったらすーぐオドオドしちゃってさ」
桜瀬がニヤッと笑いながらまたおかしそうに笑い声を上げる。
本当に黒いな……コイツ。
「あ、そんで美術の時はどうすんの?」
ふと葉月が私の方を見て聞いてきた。勿論何をやるかは既に考えてある。
私は椿達を近くに来させ、こっそり耳打ちをした。
「……分かった?」
「了解了解! アンタ凄い事考えるね!」
「流石雪上っち♪」
私の問いに、まず葉月と燐が腹を抱えて笑いながら私の方を見て来た。
私もそれにつられて笑いつつ、美術の準備をして美術室へと向かう。
「真白、私何か面白くなってきたかも」
いつも冷静な彩寡ちゃんが不敵な笑みを見せながらそう言ってきた。
面白い、と言われれば確かにそうなのかもしれない。私も思わず笑っていた。
復讐。
重いはずの言葉が、こんなにも簡単に実行できるのか……。
また、笑いそうになった。
——————————————————美術室。
美術室にはぱらぱらと人が集まりだし、私達はまた作戦を教えた。
その作戦を聞いて皆ゲラゲラとさもおかしそうに笑っている。
「まぁ、そう言う事だから皆適当にノリ合わせておいて下さい」
椿が冷静にそう言って席へと座る。私達も席へと座ることにした。
ちなみに席は私と桜瀬、葉月と燐、春ちゃんと椿と彩華ちゃんで綺麗に分かれている。
そして同じ班である桜瀬と黒い笑みを浮かべながら先生の登場を待っていた。
「みんな〜あれ〜今日は早いねぇ?」
語尾を伸ばすイライラとする喋り方をしながら先生が呑気にやってくる。
…………馬鹿な奴。
今からお前の失態がバレるんだよっ!!!
私は口角を吊り上げながらある人の台詞を待っていた。
すると、案の定ある人こと葉月が例の台詞を口にしようとする。
「先生」
「ん〜? 咲乃上どうしたのー?」
葉月は何とか笑いを堪えながら壁に貼ってあった一枚の絵を指差した
その絵は……紛れも無い……
私の絵だった。