社会問題小説・評論板

Re: 私は反旗を翻す【若干実話 オリキャラ大募集中です】 ( No.61 )
日時: 2010/12/23 10:38
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)

  第二十一話「幕開け」

「先生。嫌ですよね、こんな目の前で自分の失態が晒されて」


皮肉交じりに私は言う。小島は助けを求めるかの目つきで私を見つめていた。
助けるつもりなんて毛頭無い。散々私を傷つけた奴を何故助けなければいけないのか。


「ゆ、雪上……!」
「………………今更、遅いですけど」


ザマァ見ろ。私はそう言いたかったけれど、敢えて言わないことにしておいた。
夏休みに散々偉そうな態度を取って人を平気で傷つけた奴。今失態が晒されて被害者ぶっている奴。

全部お前だよ、馬鹿。

出てきそうになる微笑みを抑える事に必死だった。


「これから、楽しみにしてて下さいね」


私はそう言ってにっこりと微笑んだ。
小島の顔が恐怖に歪みだす。凄い傑作。
周りの人も皆ニヤリと笑っていた。

……あ、何か桜瀬の笑い方凄い事になってる。

キーンコーンカーンコーン♪

丁度良すぎるタイミングでチャイムが鳴る。学級委員の挨拶もなしに私達はさっさと教室から出る。
そして全員、笑い出した。


「アンタ最高だわ!!」
「真白さん流石なのであります♪」
「ホント傑作だわ〜★」


葉月と春ちゃんと弥生が私に向かって笑いかけてきた。私もそれにつられてニッコリと笑う。
本当に面白かった。今まで散々アイツのせいで泣いたりしてたけど、いとも簡単に復讐出来るのだから。
大爆笑したくなったけど、流石に止めて置く。桜瀬が既に大爆笑してたので。


「じゃあ今日四時間だし、誰かの家で作戦でも立てる?」


相変わらずの冷静なポーカーフェイスで椿が全員に聞いてきた。そして全員大きく頷く。
そして一応中心と言う事で私、椿、燐、桜瀬、葉月の5人で作戦を立てる事になった。



———————————————教室。


そしてあっという間に四階の私達のクラスの教室へと付き、全員鞄に教科書を詰め込んで色々話をしていた。
小島はどんな顔をしてやって来るだろうか。怯えても、普段どおりでも無様なのには何一つ変わりは無い。
そんな事を思っていると、いつも通りやや遅れて、そしてへらへらとして笑みを浮かべながら小島がやって来る。

……どうやら自分のペースを変えない事に決めたらしい。


「皆〜最近自己中な人が多いから、気をつけてね★」


……って何かますます気持ち悪くなっている。

そして自己中な人とまだそんな事を言ってやがる。そしてそれを見かねたのか桜瀬が突然椅子から立ち上がった。



「先生。それなんか……プッ……イタイですよ」
「え? え、えぇ? そんな事無いでしょぉ〜」


そしてへらへらとしながら戸惑う小島を目はぎろりと、口元はニヤリと不思議な表情をして桜瀬は席へと座る。
ふと桜瀬が椿の椅子の方を見ていた。……何か指示していたっぽい。


「あ、それと自己中って誰ですか?」
「え〜っと…………」
「誰か分からないのに自己中って言ったんですか?」
「だとしたら酷いですね」


小島を睨み続ける桜瀬に、私がフォローをする。そしてクラス中が笑いに包まれた。
小島は悔しさに震えながら首を横に振った。どうやら、まだ怒りの気持ちがあるらしい。


新たな事実を発見して私は思わずニヤリと笑い、そして挨拶をしてから帰路へと付いた。