社会問題小説・評論板

Re: 私は反旗を翻す【若干実話】 ( No.97 )
日時: 2011/01/04 14:45
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)

  第二十四話「昨日の友は今日の敵」


次の日、私と桜瀬と燐が今日の作戦を話しながら学校へと登校していた。浮かび上がる笑みを押さえられない。
勿論それは皆も同じようで、桜瀬に至ってはずっと笑っている始末。


「っくくく……もうホント笑っちゃいそう」
「君もう笑ってるじゃん。雪上っち、桜瀬変になってるよ」
「いやいや燐、それいつもじゃん」


そう言ってまた起こる爆笑の波(ほとんど桜瀬の笑い声だけど)。
道行くサラリーマンや小学生が不信な目で見ているけれど、とりあえず気にしないで放置しておく。


「あら、真白さんに由梨さんに燐さん。おはようございますわ」
「……おはよう」


私たちが大爆笑しているとき、後ろから声がしたので振り向く。声の正体は同じクラスの雨縦院さんと東街だった。
ちなみに雨縦院さんは弥生と猿犬の仲らしい。良く知らないけど。そして二人は先ほどの会話を聞いてたらしくやっぱり笑っている。
二人とも(少なくとも雨縦院さんは)先生が嫌いらしい。そして雨縦院さんが綺麗な茶色の巻髪をいじりながら話す。


「昨日のあれ、聞きましたけど先生最低ですわね」
「でしょでしょ〜!」
「桜瀬、君が言う事じゃないでしょ」


直ぐに笑いながら返事をする桜瀬に燐がツッコミをいれる。そんな二人の様子に気付けば雨縦院さんも馴染んでいた。
そして私は東街とそんな三人の光景を眺めながら話をする。


「君は小島、嫌いなんでしょ」
「え? うん、嫌いだねー。東街は?」
「僕? ……嫌いだけど」


平然と答える東街に私は思わず唖然とした。
東街って小島嫌いだったんだ……。意外だな。とか思う。
そしてそのまま適当に話しながら歩いていると、今度は前から声を掛けられた(?)


「おはよう、真白ちゃん、翼君」


ポニーテールにしている黒髪にオッドアイ……正体は罪木耶麻だった。微笑を浮かべながらこっちに挨拶してくる。
私と東街も「おはよう」と挨拶をして、話に混じってもらう事にした。


「面白い話してんじゃん、由梨ちゃん達」
「そだね。……その割には罪木、面白く無さそうだけど」


罪木は桜瀬達を見るなり、二カッと笑みを見せてこちらを見る。私は溜息を着きながら罪木を指差した。
罪木は何処か、と言うか何となく……心の底から“面白い”と思っていない気がした。
すると罪木はうーんと唸ってから腕を組んで、私と東街にしか聞こえない小さな声で話し始める。


「いやね〜真白ちゃん、小島がそんなに嫌いなのかなーって」


……そう来たか。と私は苦笑した。