社会問題小説・評論板

Re: 死に方を知らない君へ。 【復活しました】 ( No.32 )
日時: 2014/03/08 21:19
名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)

「ああもう! 何であんたってそんなに使えないのかしら。もういいわ!」
 お母さんの怒声が響き渡ると同時に、私は思い切り突き飛ばされた。
 私はバランスを崩して無様に転び、思い切り顔面を床にぶつけてしまった。痛みに耐えて立ち上がろうとしても、お母さんがそれを許さない。
 後ろから背中を蹴られ、私はそのまま足で床に押し付けられる。
 痛くない……そう心の中では言い聞かせていても、既に体は悲鳴をあげていた。体のあちこちが痛む。心だってもうボロボロだよ。
「ごめんなさい……っ」
 私はかすれた声で、お母さんに必死で謝る。
 けれどやっぱり、許してはもらえなくて。
「そんな謝り方で、許してもらえるとでも思ってるの!?」
 お母さんはそう言って、私の背中を更に強く踏みつけた。

 私はあの後、何回謝ったのだろうか。
 何とかお母さんに許してもらい、ふらつきながらも立ち上がる。……でも、これで終わりじゃなかったんだ。
 お母さんは油断していた私の頬を容赦なくぶつと、私を睨みつけた。
「あーあ。あんたのせいでもうこんな時間になっちゃった。罰として、夕食は無しだからね!」
「……ごめんなさい」
 私がもう一度頭を下げて謝ると、お母さんは満足したのか何も言わなかった。

 何度お母さんに殴られても、叩かれても、蹴られても。その感覚が麻痺した事は、一度も無い。
 きっとこれからだって、私は何度もあの痛みを味わうだろう。
……いっその事、麻痺してしまえばいいのに。
 私は今までに、数え切れない程そう思った。