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社会問題小説・評論板
- Re: 死に方を知らない君へ。 ( No.37 )
- 日時: 2014/02/06 20:47
- 名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)
せっかくあの息苦しい家から抜け出せるというのに、私の心は重かった。
——私は、学校が嫌いだ。いや、学校に居る人達が嫌いと言った方が正しいのかもしれない。
学校はいつも……、沢山の人の話し声で溢れているから。その中に誰かの悪口を見つけると、たちまち私は不安になってしまう。
キモい、ウザイなんて言葉が、全部自分の事を言っているのではないかと。
大抵の悪口は、アイツなどの言葉で隠されてそれが誰の事を言っているか分からない。だからこそ、余計不安になってしまうのだと思う。
"こんなのただの被害妄想だ"
そう分かっていても、私には聞こえてくるんだ。私を馬鹿にして笑う、皆の声が。
私の心に反して、足はどんどん進む。目指す場所はもちろん学校。
いくら学校が嫌いでも、学校には行かなければならない。
ズル休みなどお母さんに許してもらえる訳がないし、嘘までついて学校を休む度胸も無かった。
それに、家に居るよりは学校に居た方がまだマシだと思えた。どちらにしろ、嫌な思いをする事には変わりないけれど……。
私は歩きながら、道に転がっている空き缶を蹴った。
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