社会問題小説・評論板

Re: 死に方を知らない君へ。  ( No.50 )
日時: 2014/02/06 21:50
名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)

 懐かしい……本当に懐かしいよ。
 お母さんも、お父さんも、私も……皆が幸せだった頃の写真。
 その写真は、一見幸せな家族写真。 でも今の私には、ただの過去の写真にしか見えなかった。
 家族写真って……過去を写すだけの物、としか私は思えなくて。
 私、壊れてるのかな。歪んでるのかな。狂ってる、のかな。
 幸せだった頃の写真を見ても、温かい気持ちになんてなれないよ。
 こんな事、思っちゃいけないって分かってる……それなのに。私の胸の中に渦巻くのは、重くて暗い感情だけだった。

 次々に浮かんでは消える、お母さんとお父さんに対する憎しみ。
 あの時、お父さんが浮気しなければ。もしくは、それがお母さんにバレていなければ。あの時、お母さんがすぐに離婚していれば。
 私は今でも、あの頃のように"幸せ"だったかもしれないんだよ?
——ねえ、あんた達のせいだよ? 私がこんなにおかしくなったのは。
 こんな状況に置かれて、正常なままでなんて居られないよ。
 毎日些細な事で怒鳴られて殴られて、辛くて悲しくてたまらないの。
 自分が何の為に生きているのかも分からなくなって、死ぬ事を考えない日は無いの。