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社会問題小説・評論板
- Re: 死に方を知らない君へ。 ( No.51 )
- 日時: 2014/02/06 21:53
- 名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)
とめどなく溢れてくる、私の中の汚い感情。
私が今、幸せでない事への不満——その全てをお母さんとお父さんに押し付けて、自分は何も悪くないと言い張る私。バカみたいだなって……、自分でもそう思う。
私は知らず知らずの内に、こんなにも病んで歪んだ人格を作り出していたのだ。
本当は心なんて、とっくの昔に壊れていたのかもしれない。
……私はきっと、昔のようには笑えない。
のろのろとした動作で、私は床に置かれたアルバムから一枚の写真を抜き取る。
私はその写真を眺める事もせず、すぐに両手で真っ二つに引き裂いた。それと同時に響き渡ったのは、紙が破ける音。
最初からこうするつもりだったのに、私は少しだけ後悔してしまう。だけどそれ以上に大きかったのは、私の中で甘く囁く心の声。
"この写真を見る度に辛くなるんでしょ? だったらこんな写真、破って引き裂いて切り刻んで——燃やしちゃえばいいんだよ"
……そうだよね。罪悪感なんて感じる必要無いし、後悔もしなくていいんだ。
私は心の声に従って、ただひたすらに昔の写真を一枚ずつ破り捨てていく。
修復するのが不可能なくらい、ボロボロにして。
気づけばさっきまで空っぽだったゴミ箱は、写真の残骸で埋め尽くされていた。
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