社会問題小説・評論板

Re: 死に方を知らない君へ。  ( No.56 )
日時: 2014/02/06 22:06
名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)

 やっぱり、そうだよね……。私は無言で台所に戻りながら、事実を再認識する。
 お母さんはやっぱり、私の事なんて大嫌いなのだという事を。
 認めたくなんて、なかった。
 でも、あんな態度毎日のように取られたら……嫌でもそう思ってしまうよ。
 2個のおにぎりを電子レンジで温めながら、私は誰かに問いかける。
——ねえ、私って……生きてる価値あるのかな。
 そんな哲学的な問いに、誰も答えてはくれない。私は今まで、何度この問いを繰り返してきた事だろう。

 おにぎりを温め終わると、私はリビングにあるテーブルにおにぎりを置いた。
 そしてお母さんとは大分離れた自分の席に着き、おにぎりの袋をゆっくり開けていく。
 それが終わると、私はすぐにおにぎりを食べ始めた。
 おにぎりを食べながら、私は思う。もしかしたらお母さんはずっと前から私が嫌いで、"あの日"が来るまで——優しい母親、という仮面をかぶっていただけなのかもしれないと。
 こんな事、考えたくはないしそうではないと思いたいけれど……。
 何故だろう。今日は、嫌な事ばっかり考えてしまう。