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社会問題小説・評論板
- Re: 死に方を知らない君へ。 ( No.57 )
- 日時: 2014/02/06 22:08
- 名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)
……昔の写真を、見てしまったからだろうか。
本来ならば嬉しいはずの、この状況。食事の手伝いが苦手な私にとって、最低限の支度しかしなくて良いコンビニ弁当は有難かった。
なのに今は全く嬉しい気持ちになれないのも、さっきから嫌な事ばかり考えてしまうのも、全てあの写真のせいだろうか。
そう思った後すぐ直感的に、そうだろうなと思った。
あんな物、見ない方が良かったのだ。
暗い気持ちのまま、私はテレビの画面を見つめる。
テレビでは、ちょうどニュースをやっていた。バラエティなどにはあまり興味がないけれど、ニュースは好きだ。
今社会で起こっている色々な事が知れて知識も深まるし、そして何より面白い。
私が画面を食い入るように見つめていると——ある記憶が、一瞬だけ頭の中をよぎった。
それは、遠い昔の記憶。お母さんがまだ優しかった頃に出来た、トラウマ。
もう昔の事だから、はっきりとは覚えていないけれど。
でも……身体が、覚えている。
私を殴ったのは、あの綺麗な白い手。
私を睨んだのは、あの冷たい目。
ごめんなさいと泣きながら謝ったのは、まだ幼い私。
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