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社会問題小説・評論板
- Re: 死に方を知らない君へ。 ( No.86 )
- 日時: 2014/02/06 22:22
- 名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)
そんな私の縋り付くような気持ちを振り払うかの如く、お母さんは私を殴り続けた。
無理矢理床に引き倒され、馬乗りになって何度も何度も殴られた。そんな事をされて、痛くないはずが無い。私は必死になって手足をばたつかせたが、そんな事しても無駄だった。
……抵抗しようとすればする程、余計に殴られる。
自分の身を守ろうとして取った行動が、結果的に自分の首を締めているのだ。
その事に気付き、私はようやく抵抗を止めた。それでも、暴力は終わらなかった。
時計の秒針が、静かにゆっくりと時を刻んでいく。
抵抗を止めてから、殴られている間ずっと——私は人形になっていた。
何も言わない。抵抗もしない。そんな、世界で一番醜いお人形。
……だけど、心だけは人形になれなくて。
死にたいなあ、とか、私は何で生まれてきたんだろうなって、そんな事ばかり考えていた。
答える人も居ないのに、私は心の中でたくさんの問いを繰り返す。
——いっその事、本当のお人形になれればいいのに。
心なんて面倒な物、ゴミ箱に投げ捨てて。痛いとか苦しいとか、そんな事すらも感じなくなって。
そうすればきっと、私はお母さんの役に立てる。ストレス発散の道具として、死んだように生きていける。
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