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社会問題小説・評論板
- Re: 死に方を知らない君へ。 ( No.91 )
- 日時: 2014/02/06 22:27
- 名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)
私はしばらく、冷たい床の上に仰向けで寝そべっていた。
立ち上がろうとはするのだが、体が言う事を聞いてくれない。お母さんに殴られた場所が酷く痛み、心もそれ以上に傷を負っていた。
「また、傷が増えるのかな……」
天井をぼんやりと見つめながら、うまく回らない頭でそんな事を考える。
でも、今更傷の心配したってもう遅いか。今日だけじゃない。もう既にお母さんには、数え切れない程に殴られているのだから。
それに傷が治ったって、どうせまたその上から新しい傷ができるんだ。
……毎日毎日、同じ事の繰り返し。意味もなく、些細な事で殴られる。どんなに辛くて苦しくても、逃げる場所なんてどこにもない。
——神様は意地悪だな。
私を不幸にするんだったら、中途半端な幸せなんてくれなくても良かったのに。
最初から"お母さんに嫌われてる"って分かっていたら——期待して、悲しい思いをする事もなかったのに。
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