社会問題小説・評論板

Re: 死に方を知らない君へ。  ( No.92 )
日時: 2014/02/06 22:28
名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)

「お母さん……」
 気が付いたら、私はまた泣いていた。
 今日だけで何度も泣いているはずなのに、ちっとも涙は枯れてくれない。泣く度に心を抉られるような、深い痛みが突き刺さる。
 一体いつになったら、この苦しみから解放されるのだろう。

 もう、死ぬしかないのかなぁ……そう言おうとしたけれど、声にならなかった。
 静かな部屋に響き渡る嗚咽が、余計に孤独さを感じさせる。
……出来ることなら、まだ生きていたい。

 そこに希望があるのなら。そこに、お母さんの笑顔があるなら。
 だけど、それが当たり前のように存在していたのはもう随分昔の話で。
 自分が今何をすべきなのかとか、どうしたら昔に戻れるのかとか、考えれば考えるほどよく分からなくなっていった。