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社会問題小説・評論板
- Re: 死に方を知らない君へ。 ( No.99 )
- 日時: 2014/02/06 22:31
- 名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)
涙でぐしゃぐしゃになった顔をティッシュで拭い、殴られた衝撃で吹っ飛んでいたゴミ類を片付ける。
1つにまとめていたはずのそれは、いつの間にか床に散乱していた。その惨状を見つめながら、しゃがみ込んで再びゴミを1つにまとめていく。
やがて作業が終わると私は立ち上がり、台所にゴミを捨てに行った。
ゴミ箱の蓋を閉め、大変な作業を終えた後のように長い溜め息をついた時——突如、孤独感が私を襲う。
何度経験しても、慣れないその感覚に……体が少し、震えていた。
——11時半、か。
布団の中から壁に掛けてある時計を見上げ、私は心の中でそう呟く。
電気が消され、真っ暗になった部屋の中。ここには、私の他に誰も居ない。
そう、ここには私を傷つける者など誰ひとりとして居ないのだ。だからここは、私にとって世界で一番安心できる場所……。
そのはずなのに、布団に入ってから一時間以上経過しても私は未だ眠れずにいた。
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