社会問題小説・評論板

Re: どうもこんにちは『 』です。 ( No.27 )
日時: 2011/10/17 19:03
名前: 揶揄菟唖 (ID: VOI/GMTL)



第八声「どうもこんにちは『恨み』です。」


なんで。
なんで。

あなたはあたしのものなのに。
あなたはあたしのものなのに。

やっとあたしのものになったのに。
やっとあたしのものになったのに。

どうして。
どうして。

またあたし以外と話す。
またあたし以外と話す。

またあたし以外に笑う。
またあたし以外に笑う。

またあたし以外を心配する。
またあたし以外を心配する。

どうしよう。
どうしよう。

あたしはどうすればいい?
あたしはどうすればいい?

またアレをすればいい?
またアレをすればいい?

そうだ。
そうだ。

アレをしよう。
アレをしよう。

はやくあたしだけみて。
はやくあたしをとめて。

 + + + +

「あ〜あ」

魔夫の声。

僕の後ろからそれは聞こえた。

聞きたくない。

きっと僕の後ろの階段に魔夫はいる。

でも振り返らない。

「あんな優しい言葉かけちゃって」

みてたのか。
きいていたのか。

ならどうしてでてこなかった。

彌魅は魔夫をさがしている。

その理由は知らない。

知りたくも無い。

「どうするの?」

なにをだ。

僕はなにもかえさないのに魔夫は話を続ける。

「彌魅ちゃんがもっと壊れちゃったら」

 + + + +

傷からは相変らず血を流し続けている。

指を傷に押し込めば赤いモノが指を染めた。

痛くない。
痛くない。

痛くないんだよ。

こんなにしても痛くない。

どうすれば痛くなるの?

魔夫ちゃんにであってからやっと痛いことを感じることができて生きているってことを感じることができたのに。

痛くない。
痛くない。

っていうことは私は今生きていないの?

生きたいよ。
魔夫ちゃん。

 + + + +

「壊れる・・・?」

やっと僕は反応を示す。

すると魔夫がくすりとわらった。

「そう。あの子は壊れている」

壊れている?
どういう意味だ?

僕はドキドキしながら後ろを振り返る。

予想通り魔夫が立っていた。

見下されているようで腹立たしい。

「誰のせいだと思う?」

その答えを僕が言う前に魔夫は階段から続く廊下へと消えてった。

それを追うことを僕はしない。

彌魅が壊れている。
誰のせい?
誰かのせいであいつは壊れたのか。
どんな風に壊れたのか。
わからない。
しりたいのか。
しりたくないのか。
それすらも、わからない。

僕は何をして、何をすればいい?

 + + + +

溢れる涙を拭う。

拭ってもまたでてくるからあまり意味はないけど。
でもこうしていないとほかに何をすればいいのかわからない。

「かえして」

冷めた声だった。

うずくまる私に昔声をかけてくれたのは魔夫ちゃんだった。
その声は優しくて温かくて。

でも今回のは全然違う。
優しくなければ、温かくもない。

それでも私は顔を上げた。


〜end〜

八話目・・・ですよね。
いっきにはなしがすすみました。
すすめました。
おわりが徐々に見えてきます。
真相も見えてくると良いな。