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社会問題小説・評論板
- プロローグ ( No.2 )
- 日時: 2011/09/22 19:36
- 名前: 綾咲 芽留 (ID: iGvI5nur)
RRRRRRRR……。
電話が鳴った。私は、手を伸ばして、受話器を取る。
「はい。もしもし、彩未です。」
【もしもし、世良? まっちゃだよ】
「愛香! まだ、アイツは起きてないよ」
【うん、イビキがこっちからも聞こえるよう。違う部屋なんでしょ?
何でそんな聞こえんのさぁ(笑)】
「アイツのイビキが大っきいだけっ! あ、いま行くよ。待ってて」
わわっ、もうこんな時間か…。支度しないと。遅れちゃうよ…。
「世良、おはよう! あら? あの子はどこかしら?」
「あ、お母さん、おはよ! アイツはまだ寝てる。起こしにいってやって?」
急いで朝食を食べる。フレンチトーストを無理矢理口に押し込んで、オレンジジュースを飲んだ。
「世良、おはよう。…あの子はまだ寝てるのか?」
「お父さん、おはよっ! うん、まだだよ?」
キラキラひかる新しい服を着る。まだ、汚れもしわも無く、きちんとしている。
「クンクン、ワンッ! ワンワン!」
「あ、タロタロ、はよっ! うん、まだなの。」
あと挨拶してないのは一人…。
ガチャッ。
「おはようございましゅ! 可愛い可愛い季良姫のお通りでごじゃいましゅっ!」
自己中の、季良さんのお通りです。
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