社会問題小説・評論板

Re: 耐えて耐えて・・・ ( No.5 )
日時: 2011/11/20 23:23
名前: 音異羅 ◆XuYU1tsir. (ID: 4z3SNsbs)

他学年フロア



「あ、奈々ちゃん」
「館野宮さん、おはよう」


奈々に向かって、沢山の先輩が挨拶をする


「おはよう御座います!」


元気良く挨拶を返す奈々

それをにこやかに見て、去っていく先輩達

奈々は可愛いしね

納得するよ

世渡り上手?ってやつ?


「ね、藍那」

「何?」

「先輩達ばっかりのところってわくわくしない?」


笑顔を浮かべてあたしを見る奈々

わくわくって・・・

あたしはため息をつく


「あのね、わくわくよりハラハラでしょ?」

「え、何でー?」


きょとんとした顔で尋ねてくる

いやいやいや・・・


「規則でしょ?」


規則

“他学年のフロアへいってはならない”

というものがある

“しかし、部活のキャプテン及び副キャプテンは、部活動の内容についてのみ、他学年のフロアへ行くことを許可する”

こんな例外があるけど、あたし達は一年生

しかも、どちらにも当てはまらない

だから、見つかったら怒られるのは当然のこと


「怒られたらどうすんの?」

「えー?大丈夫だよ、藍那」


ニコニコと笑う奈々

どこからその自信があふれてくるの?

あたしにはそれが理解できないよ


「藍那ちゃん?」


自分の名前を呼ぶ声に、あたしは振り返る

そこにいたのは、本を片手に持っている先輩

あたしの部活の先輩だ


「あ・・・雛耶・・・先輩?」


あたしがそういうと、先輩はにこりと笑った


「おはよう」